ホーム 基礎知識 レポート お料理レシピ 通信販売 会社概要
天然糸寒天製造報告 平成13年度(2001)
01 2001/11/25 寒天準備、干場杭打ち作業
02 2001/12/02 てんぐさの種類
03 2001/12/10 凍てののり始め
04 2001/12/26 乾燥の進行
05 2002/01/07 新寒天の出荷
06 2002/01/12 久しぶりの天気
07 2002/01/22 年明け一転暖かい1月
08 2002/01/25 寒天の野上げ作業
09 2002/02/04 糸寒天の結び
10 2002/02/22 天草の絞り粕
11 2002/03/08 最後の寒天
12 2002/03/09 無漂白天然糸寒天

01 2001/11/25 寒天準備、干場杭打ち作業

 今年も寒天準備にはいり棚場の干し場杭打ち作業がすすんでいる。
 昨年は29日に杭打ち作業は完了し12月2日からスタートしている。今年はいまのところ12月1日の予定が初釜である。他の工場では大安の11月28日スタートするところも2工場ほどある。
 今朝の最低温度は零下4度ほど、日中気温は16度でやや暖かい状況であるが、2日後は寒くなってくる予報であるから妥当な初釜時期と思われる。
 また、今年の冬場の操業工場数は昨年より2工場減の15工場のもようである。

ページ先頭へ

02 2001/12/02 てんぐさの種類

 予定どおり12月1日の初釜でスタートした。
 今回はてんぐさの種類を紹介する。天然糸寒天では各種てんぐさを配合してそれぞれの特徴を活かしながら寒天製品にする。当社では国内てんぐさの伊豆、三重、和歌山、徳島、高知産を中心に配合、製造している。
 ゲル化したゼリー強度が適当に高く、しかも粘りのある寒天ができる。和菓子原料には最適な天然糸寒天になる。

伊豆大島産 あらめ
ゼリー強度が高くなる

三重産まくさ虎晒草
晒されているので天歩があがる

和歌山県串本産どら草
商取引ではサル、またはマツ草といっている

徳島県木岐産まくさ
寒天含有量が多い

ページ先頭へ

03 2001/12/10 凍てののり始め

 午後4時30分ごろ。天気は晴れ、風少しあり。気温は急速に下がってきた。干し場の寒暖計が零下をさすようになってきた。
 今朝、突き出された生天(ところてん)は凍り始めている。糸寒天では凍り始めのときに水分を補給し、生天の温度を均一に下げるために生天の上に氷を鎌できりながら砕片をふりかける。「凍てとり」作業である。工場の副である釜脇の大事な仕事である。この作業がタイミングよくおこなわれて良い寒天にしあがる。

凍てとり作業
暖かい日が続くと溜まった日にち分作業量が多くなり2〜3人で行う

凍てはじめの生天
氷が生天の上に走り始める

干し場の寒暖計
天気により急に冷えてくる
16時30分

ページ先頭へ

04 2001/12/26 乾燥の進行

 ここのところ生産は順調にすすんでいる。
 毎朝零下−5度から−8度に冷え、日中の天気も晴れる日がおおくなってきた。天気周期は5日くらいで雨か雪でその後また晴れる、という繰り返しである。
 冷凍されたものが融解して、また冷凍される繰り返しを7日くらいつづけるとかなり水分は除去されてくる。そのくらいになると寒天をならべている台ごと、直接日の角度にあわせるように斜めのする。「カガミのかける」ということになる。
 この状態から3日から4日で乾燥仕上がる。

カガミにかけ始める

乾燥が進む

ページ先頭へ

05 2002/01/07 新寒天の出荷

 年末から新年にかけて天候がやや不順状態がつづき乾燥工程がなかなか終了しなくなった。例年のパターンである。
 年明けての新寒天の出荷となった。左は20kg梱包、右側に写真は4kg梱包の様子である。最近は4kg梱包の注文が増えてきている。ロットは4kg×6ヶ入りで1甲になる。
 小分け費用がかかるが、収納するのに棚の上とか置ける便利さが重宝されるようである。


20kg梱包

4kg梱包

ページ先頭へ

06 2002/01/12 久しぶりの天気

 正月以来雪空がつづいていた。特に1月3日には東海地区にまれな大雪となり、寒天の融解、乾燥には不具合な日が続いていた。久しぶりに今日は平年を4度ほど上まわり3月陽気となった。
 干し場の寒天は乾しにむけて全開状態である。約15日分の寒天がだされている。昨日、出されたものは今朝零下5度で半分以上凍っている。
 このような日が続くと寒天の製造には好都合なのだが、明日の後半から天気は下り坂という予報である。これから大寒に向け、まだまだきの抜けない状態がつづく。

約15日分の寒天が干し場に出されている。全部陽に当て乾燥させる

凍ての通り具合
昨日出した生天が今朝の−5度ほどで半分以上凍っている。白く見えるところが凍っている部分

ページ先頭へ

07 2002/01/22 年明け一転暖かい1月

 ここのところ暖かい日が続いている。
 寒天製造現地での毎朝の最低気温を昨年と比較してみる。

  9日 10日 11日 12日 13日 14日 15日 16日 17日 18日
01年1月 -6 +3 -7 -2 -5 -5 -5 -11 -6 -11
02年1月 -2 -3 -1 -5 -4 -5 +1 +3 +4 -5


 今日1月22日の日経新聞朝刊の新聞記事に今年の1月の暖冬傾向のことが書かれている。
 今後この陽気が1〜2週間続いてから冬型気候にもどるとなっているが、2週間後はもう立春間近になる。天然寒天の製造には今後の天気動向が気になるところである。


日経新聞朝刊(1月22日)

ページ先頭へ

08 2002/01/25 寒天の野上げ作業

 寒天の野上げ作業風景である。
 ようやくの天気で「(06)久しぶりの天気」で報告した寒天がいっせいに乾き、干しあがりはじめ、取り込み作業にはいる。今日は午後からこの作業に追われ、総出で野上げ作業を行った。これでようやく干し場が確保でき、ほっとしたところである。
 ここでの野上げ作業は丁寧に行うことが肝要である。この段階で、熟練者は選別作業も兼ね、また、寒天の端がそろっているとその後の梱包作業が楽で仕上がりがきれいな品になる。

ページ先頭へ

09 2002/02/04 糸寒天の結び

 突き出したところてん、生天を2回転結んでいて切れないでいる。粘度がある証拠である。糸寒天は一般に和菓子原料に最適といわれているが、このねばりが重要なポイントである。
 ゲル化させるゼリー強度がほどほど(450〜500g/cm)に強くかつ粘度があっていい寒天といえる。
 天然寒天での製造は原料の天草の選別からはじまり、冷気で凍らせ、天日で自然に乾燥させるところに特色がある。

ページ先頭へ

10 2002/02/22 天草の絞り粕

 軽トラックに積んであるのは天草の絞り粕である。一片が約65cm程度のほぼ立方体の形をしていて合計5ヶある。固さはスコップが突き刺さるくらいの固さまで絞り込んである。
 元の天草の数量は240kg程度であり、前日の夕方から釜で炊き込んであったものを翌朝絞り5個の絞り枠にいれ重しをかけ糊を分離したものである。
 天草がうまく煮えれば絞りも糊の分離がうまくいき、収量もよくまた製品も良くなる。絞り粕の状態でも煮え加減の良し悪しが判断できる。
 この状態からはたいへん良い煮熟であったことがわかる。

ページ先頭へ

11 2002/03/08 最後の寒天

 3月8日の寒天干し場の風景である。最後の寒天が残っている。これは2月21日の炊き込み、23日に凍結、乾燥のために干し場へ出した寒天である。
 今年は例年より早くから暖かくなり始め、なかなか寒天の最終までいかずに残ってしまったところである。他のところは既に杭も抜いて、夏の稲作のための田んぼへ切り替えている。
 右の写真は、冬の寒天の最盛期のときのものである。対比のために並べてみる。翌9日は天気がよくこの寒天も干しあがり、ここに今年の天然寒天の製造も終了となった。
 ここ岐阜県の天然寒天、今年の生産は製造者数は、昨シーズンより2業者減って15業者、生産量は推計で約90トンと思われる。
 なお、春から秋にかけては冷蔵庫利用で糸寒天製造が行われる。

H14.3.8の干し場

H13.12.20の干し場

ページ先頭へ

12 2002/03/09 無漂白天然糸寒天

 今年の製造期間中、1月の良く冷える時期をみて無漂白で寒天を製造してみた。無漂白であるから色は少しついてはいる。が、今後の方向として、糸寒天を水にもどし、そのまま料理などに使うことを考えると拡大していく傾向のあるように思われる。
 ちなみに当店では個人販売用の商品も用意している。
ページ先頭へ