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てんぐさ入札会報告
毎年6月から10月にわたって行われるてんぐさ入札会の報告です。
てんぐさ入札会報告 平成30年(2018)
00 2018/03/19 平成29年度てんぐさ概況 

00 平成29年度(平成29年4月〜平成30年11月)てんぐさ概況

 全国のてんぐさ入札(生産)量

以下の表は、平成29年までの年別てんぐさ生産数量(入札数量+入札外数量)です。

産地\年 平成29年 平成28年 平成27年 平成26年 平成25年 平成24年 平成23年
東京都 42 35 44 52 53 63 53
静岡県 90 110 111 106 117 115 101
三重県 11 11 8 8 16 15 11
和歌山県 14 12 9 12 14 14 21
徳島県 31 36 26 45 32 37 37
愛媛県 135 118 149 160 146 86 80
高知県 9 16 11 29 40 18 36
長崎県 6 13 20 13 23 21 26
上記産地計 338 351 378 425 441 369 365
全国生産量 471 563 486 510 559 481 489

(単位:トン)株式会社 森田商店 調べ h30(2018)/3/19

 昨年のてんぐさ入札会は平成29年11月16日の東京都第3回入札会で終了した。
 全国の生産数量は入札数量と入札外数量で471トンになった。平成28年は563トンで、対前年83.6%、過去6年間の平均515トンをも下回り、近年最低の生産量となった。
 平成28年は高値で各地入札会が終了しているので平成29年の価格は各産地の集荷量次第でどのような方向になるか各浜の様子が注目されていた。平成29年2月、4月の静岡県伊豆地区では昨年の採取ものの入札会があり比較的抑えた価格で推移していた。そんな中、平成29年採取品で一番早くから始まる九州大分で5月、集荷量は前年並みであったが、落札価格は平成28年終わりの高値とほぼ同等価格となった。
 一方、当初5月入札予定の東京都伊豆諸島においては集荷量不足のため6月に伸びることになった。
 その間、徳島県では10%強減産となり平成28年同期を大幅に上回る価格が付けられた。次いでの6月の東京都伊豆諸島も毛草を除く他の高価格の品は軒並み高値落札なり、これが平成29年の相場を方向づける結果となった。
 伊豆諸島の数量減は平成29年1月、2月の海水温の着床適正温度13℃以下のところが2℃から3℃、高く逆に4月の成長時期には黒潮の南下の影響で2℃低いのが響いたと思われる。 
 以後の愛媛県、三重県、長崎県と高値だった前年価格を上乗せる状態となった。
 8月になると韓国は済州島の入札情報が飛び込んできた。
 それは現地価格で1kg平成28年5,500ウォンが、平成29年10,300ウォンと実に87%高のニュースであった。この価格は国内一次問屋には1kgあたり1,300円前後になり国内各地の天草価格をさらに押し上げる結果となった。為替はH28年9月100ウォン=9.15¥(8/24〜9/24終値平均)のところH29年9月100ウォン=9.74¥(同期間、終値平均)と円安になっているのもさらに影響している。
 まさに12年前、平成17年(2005年)の天草ブームの再来と思わせる異常価格となっていった。天草は国内市場だけでなく海外輸入品が大きく影響する見本のようなものであった。
 天草の一番の輸入先はモロッコである。モロッコ国内の2011年から続く輸出規制(1200トン)の第2期終了年の2016年は年間1,150トンのところが、2017年は輸出規制がかかり519トンと半減している。価格は27%(財務省輸入統計表より)上昇している。
  一方、韓国からは2016年411トンが2017年で535トンと増加、価格は年間平均輸入価格対前年比47.9%上昇している。
 このような状況に日本食料新聞では2017年9月6日一面に「天草高値続く」として記事を掲載した。
 さらに国内では東日本、北日本の記録的長雨が続き、また台風21号は10月22日から23日にかけ関東に上陸、天草主産地の千葉県房総半島に海域のみならず、採取の漁港、漁船にも大きな被害をもたらした。平成28年は千葉県産が200トン以上(相対取引が主)と他県を大きく凌ぎ、最大数量があったのが平成29年はその半分以下の数量で、特に7月以降はほとんど収穫されていない状況である。
 結果、平成28年の高値を更新した平成29年の国内、天草価格は値上がり始める前の平成26年(2014年)の価格と比べると各産地共、軒並み150%〜200%になった
 この一年の動きは正に天草価格の大変革のはじまりになるかもしれない。高値から就業者、採取人口の減少に歯止めがかかり逆に増えれば別であるが、自然現象、このおおもとは地球温暖化であり、海水温の上昇による磯焼けをはじめとする各種要因による天草収穫減は今後も続くことを認識しなければならない。

(報告/社長 森田庄次)

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