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01 2026/3/5 伊豆産テングサ第1回入札会(静岡県第1回入札会)
伊豆産テングサ第1回入札会(静岡県第1回入札会)が昨年と同じく3月上旬(3月5日)に開催された。本入札会は全国でも最初に開催される入札会でもあり、今後の相場に影響を与える重要な入札会である。出品量は5,723kgで、昨年同時期と比較して111%と増産した(2025年第1回出品量5,136kg)。ただ、今回出品されるテングサの内、8割を占める仁科産テングサは昨年(2025年)採取されたテングサで、実際に生育量が増加したかは不明である。
2017年8月から潮岬南部で始まった黒潮大蛇行(※1,※2)は、水産物の生産量に影響を与えたと言われている。しかし、伊豆半島は黒潮大蛇行の開始点(潮岬南部)から距離があり(※1,※2)、大蛇行が強く影響を与えていたかは不明瞭である。実際、2017年からの最小生産量と最大生産量を比較すると、最小生産量/最大生産量は43%であり(表1)、「和歌山県・南部」や「徳島県・南部」といった黒潮大蛇行の影響が強い地域程は減産していない。減産開始時期も2017年からであり(図1)、大蛇行開始点に近い「和歌山県・南部」や「徳島県・南部」よりも早く減産している(和歌山県・南部:2020年〜、徳島県・南部:2021年〜)。この為、伊豆産テングサの生産量変化は別要因が影響している可能性がある。特に、西伊豆海域より東伊豆海域の方が黒潮大蛇行の開始点(潮岬南部)から距離がある為、その可能性が高い。
伊豆半島は西伊豆海域と東伊豆海域で環境が異なり、今回、主に出品されるテングサは、穏やかな海域の西伊豆海域で採取されたテングサである。採取地域は南北約20qに渡り、比較的広いが、実際に現地入りしてテングサの状態を確認すると、生育状態やカキの付着量はどの産地も比較的似ていた。環境は似ていると言えるであろう。また状態が良いものが多く、「アオ」銘柄や「ベト」銘柄でも然程「アオ」や「ベト」の付着はみられなかった。高い意識を持って採取・出品して頂けるのは、プロ意識を感じるとともに業者としても有難いことである。
入札業者は6社。内、2社はFAX入札であった。西伊豆産テングサは、その海域特性から、粘りが強い寒天質を保有する(東伊豆産テングサは硬めの寒天質を保有)。伊豆ブランドと共に製造業者が使用する理由の一つでもあり、昨年(2025年)は高騰し続けていた。一方で、伊豆入札会以外の入札会(愛媛県入札会や徳島県入札会等)では後半になるにつれ相場が落ち着いていった。今回の入札会は、全国で開催された入札会を踏襲して、相場は落ち着くのではと推測した。実際、落札価格は昨年(2025年)落札価格よりも落ち着いた価格となり、高騰傾向からの逸脱の兆しを感じた。6月7月には徳島県や愛媛県等の入札会も開催され、更に相場動向を把握することができるであろう。伊豆入札会の第2回は7月に開催予定されている。
(報告/社長 森田尚宏)

表1:各海域の生産量(各域の入札会出品量)1月1日〜12月31日/単位:kg

図1. 伊豆産テングサ(静岡県産テングサ)入札会の累積出品量
赤線:黒潮大蛇行開始時。青線:黒潮大蛇行終了時
黒潮の変化と生産量の変化の関連性は不明瞭。
※1:気象庁HP
https://www.data.jma.go.jp/gmd/kaiyou/data/db/kaikyo/knowledge/kuroshio.html
※2:吉田隆・下道保直・林王弘道・横内克巳・秋山秀樹,黒潮の流路情報をもとに黒潮大蛇行を判定する基準.海の研究,15(6),499-507,2006.
※3:気象庁HP
黒潮大蛇行の終息について
https://www.jma.go.jp/jma/press/2508/29a/20250829_end_of_kuroshioLM.html
※4:気象庁 大気海洋部 気候情報課 異常気象情報センター
令和6年7月以降の顕著な高温と7月下旬の北日本の大雨の特徴と要因について
https://www.data.jma.go.jp/extreme/kaigi/2024/0902/r06_1st_gidai2_202409.pdf

西伊豆・仁科(沢田公園)

西伊豆・仁科(沢田公園)

西伊豆・仁科(沢田公園)

西伊豆・仁科(堂ヶ島公園)

西伊豆(堂ヶ島公園)

西伊豆(堂ヶ島公園;アマノリ群落)

西伊豆・浮島海岸

西伊豆・浮島海岸

西伊豆(黄金崎公園)

西伊豆(黄金崎公園)

西伊豆(黄金崎公園)

東伊豆(尾ヶ崎ウイング;遠くには利島が)
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