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天然糸寒天製造報告
毎年12月から3月にわたって行われる糸寒天の製造報告です。
天然糸寒天製造報告 令和元年度(2019)
01 2019/12/09 寒天製造開始
02 2019/12/12 天候を見ながらの寒天製造
03 2020/01/06 明けましておめでとうございます。
04 2020/01/14 寒天の音と雨の音
05 2020/01/21 満天の星天から
06 2020/02/06 大寒波と春の足音
07 2020/02/14 静かな夕方 

01 2019/12/09 寒天製造開始

 本日より寒天製造を開始(初釜)。10時30分時点で晴、気温は5℃。恵那山には雪が積もっており、冷え込んでいることは確認できたが、このところ曇天が続いており、寒天の製造にはあまり適していない天候。本日も昼から曇天となった為、生天が冷えて凍っても解凍・乾燥工程は進まない天候である。
 棚場は半分程度完成しており、人夫さんも集まって来てくれているので製造の準備は問題ない。引き続き棚場は作成されており、連続的に天出(生天を棚場に出す作業)できるようにしている。
 この土日は冷えこむ予報だが(実際冷え込んだ)、来週はまた暖かくなるとのこと。過ごすには良いが寒天製造には厳しい天候である。先のことを心配しても仕方ないが、1月に冷え込まなければ減産の懸念がある。
 夕方からテングサを釜に投入し、炊き具合を確認する。テングサは産地が同じでも性質は同じとは限らない為、毎年初釜の炊き込み具合は調整が難しい。今年のテングサも昨年とは若干異なる印象であった為、炊き方には苦慮した。初釜は、カエリは起こらず、絞りは重かった為、もう少し強く炊いた方が良いかと思われた。一方で生天のゼリー強度は丁度良かった。第1号の糸寒天のゼリー強度を早めに確認して続く製造に生かしいていきたいところである。16時の時点で4℃、17時になると更に気温は下がり3℃となった。

(報告/常務 森田尚宏)

棚場

寒天フネ

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02 2019/12/12 天候を見ながらの寒天製造

 本日、11時で曇り、気温は10度。この時期としては暖かく、なかなか凍てが入らない。1号は上層のみ凍てが入ったが、中層から下層は生天状態。2号から4号も生天状態であった。10日に炊き込みをしたテングサは11日に搾汁・凝固させる為、本来12日(本日)に天出である。しかし、気候が暖かく、凍てが入り難かった為、天出はせずにそのまま待機状態である。
 本日(12日)もテングサは炊く為、テングサを水洗浄して準備をする。テングサは太い草と細い草が適度に混合しており、良い感じである。炊き方もこれまでの状況を参考に通常より強く炊いたところ、カエリも良かった。これまでも生天のゼリー強度は丁度良いので、今回も問題なさそうである。本日(12日)の込みは13日に搾汁・凝固させる為、14日天出し予定。現状では17日18日が雨予報の為、少しの間ではあるが冷凍・乾燥を進めることができる。
 現段階で水洗浄待ちのテングサ(※)は1日分残っている。明日(13日)炊くか明後日(14日)炊くかは天候次第であるが、13日炊いた場合は15日天出し、14日炊いた場合は16日天出し予定となる。先にも述べたように17日、18日は雨予報なので16日に天出ししても、次の日は乾燥させることができない。準備待ちのテングサは明日(13日)炊くというのが現実的であろう(13日込→14日搾汁/凝固→15日天出)。
 今後は天気回復を待つこととなるが(現段階では釜休み)、他の工場も同様であった。昼過ぎになると雲が少なくなり、晴れてきた。気温は12時では8℃と暖かかったが、16時30分になると5℃となり徐々に下がり始めた。天候が安定していくことを祈るのみである。

※テングサの洗浄:1日は水に浸してアクをとる必要がある。一方で何日も浸すと臭いが出て来てテングサが悪くなる。

(報告/常務 森田尚宏)

午後になり晴れてきた

生天の表面が乾かないように水をかける

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03 2020/01/06 明けましておめでとうございます。

 明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。
 昨年からの暖冬の影響もありましたが、新年になり少しずつ新天が完成し始めました。例年よりは遅れていますが5号迄野上(寒天が完成し、棚場から引き上げる作業)が完了しました。6号〜8号も後1日か2日で野上予定です。炊込もよくカエリは起こっており(釜の中でテングサが対流すること。よく煮えている証拠となる)、テングサの搾汁も特に問題ない状況です。炊込に関しては概ね順調といえそうです。後は冷え込むことを待つのみです。

【1月6日記録】
 今朝(1月6日)は良く晴れた。放射冷却の影響もあり、一番の冷え込みを記録し(マイナス8℃)、生天も良く凍った。しかし、太陽が昇るにつれ暖かくなり、11時の時点で7℃。厳冬期にここまで暖かい年はあまりなく、通常は2月に付着しやすくなるウラ(寒天にピンク色の斑点が付着する現象)も今年は早い段階でウラが付着し始めた。ウラが付いても寒天としては使用可能であるが、ウラが付着した部分を除去した方が見た目は綺麗である。この為、ウラは除去するが、歩留が落ちるので、極力ウラの付着は避けたいところだ。
 今週は天気がよく変わるので炊込計画をよく検討しなければならない。昨日(1月5日)の炊き込んだテングサは明日(1月7日)天出予定。明日(1月7日)の降雨は午後からと判断しての炊き込みである。本日(1月6日)の炊き込みは1月8日に天出の予定。1月8日に降雨しなければ、そのまま天出が可能であるが、降雨した場合は1日保管となる。1日保管となった場合、テングサ抽出液を凝固させる容器が不足する為、次の日(明日;1月7日)の炊込ができない。1月8日の天候は重要である。
 16時30分で4℃。徐々に冷え始めてきたが、もっと冷え込んでほしいところだ。まだ空は晴れており、これから降雨しないで済むように思いつつ、炊き込み小屋から立ち上る湯気を眺めた。

(報告/常務 森田尚宏)

山岡寒天風景

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04 2020/01/14 寒天の音と雨の音

 本日、11時の時点で7℃、晴れ。風がないので暖かく感じる。棚場の凍った寒天が日光に照らされ、解凍されて水の滴る音があちこちから聞こえてくる。暖冬ではあるが、寒天製造の最盛期に良く聞こえる音である。天候が安定しないながらも割合順調に製造が進んでいるといったところか。減産傾向とはいえ、なるべく寒天の製造は進めたい。
 1月に入ってからの釜休みは今日迄で1日のみ。棚詰まり(※)にならないのは頭領が上手く計画を立てているからである。ただ、凍てが完全に抜けきらず、下層が生天状態のものが少々心配である。
 15時の時点で10℃、晴れ。今日は夕方から雨予報であるが、なるべく乾燥を進めたい為、野上間近の寒天はギリギリ迄干す。それ以外のものは濡れないように重ねてビニールシートを被せる作業をする。一今週も2回降雨予報の為、このような作業が繰り返されることとなる

※棚詰まり:生天の乾燥が進まず、棚場で干すことが続き、棚場が一杯になってしまうこと。

(報告/常務 森田尚宏)

降雨予報の為、寒天を重ねてビニールシートを被せる@

降雨予報の為、寒天を重ねてビニールシートを被せるA

テングサを釜へ投入する直前

テングサを釜へ投入

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05 2020/01/21 満天の星天から

【1月21日】
 15時の時点で8℃、晴れ。風がなく、割合暖かい。日光に照らされて寒天が白く輝いている。棚場に立つとパキパキと少しずつ乾燥している音が聞こえる。野上げ間近のサインだ。明日(1月22日)も晴予報の為、良く冷えそうだ。夕方には寒天を重ねてビニールシートを被せ、寒天に霜が付着しないようにした。
 1月16日に炊いた29号は下層まで凍てが通っておらず、まだ生天状態。18日に天出しされており、19日早朝、20日早朝、21日早朝を経ているから、本日で3日目。19日の最低気温が−6℃、20日の最低気温が−2℃、21日の最低気温が−3℃であった為、割合冷え込んだと思うが、それでも下層迄は凍てが入らなかった。
 昨年(2019年)の最低気温は1月19日で−6℃、20日で−1℃、21日で−4℃となっていた為、この3日間のみでいえば大きく問題無いといったところか。ただし、12月6日〜1月21日迄の平均最低気温は、昨年(2018年12月6日〜2019年1月21日)で−2.1℃、今年(2019年12月6日〜2020年1月21日)で−0.5℃となり、やはり暖冬ということとなる。

【1月22日】
 朝6時の時点で−5℃。外はまだ満点の星天。まさに冬の明け方といった感じで非常に綺麗な一瞬であった。マンガ(※1)を引き終えて一休憩後、8時からは天出開始。二人一組でコンコンとリズムよく天出しする音が気持ち良い。気温は8時の時点で−3℃で晴。良い天気だ。その後、徐々に気温が上昇し始めて10時30分時点で8℃となった。棚場からはシトシトと小さな音が棚場から聞こえ始めた。凍った寒天が少しずつ解凍されている証拠である。
 しかし、明後日(23日)からは天気が一転、雨が続く予報。残念ながら本日より暫く釜休みとなり、炊込の前処理として必要なテングサの水晒も準備ができない状況(※2)。1月後半での長雨は痛手である。

【最低気温(場所:マルナカ寒天製造工場)】

マンガ

棚場

2018年〜2019年 2019年〜2020年
12月6日〜12月30日 −0.4℃ 0.5℃
1月1日〜1月21日 −3.8℃ −1.9℃
12月6日〜1月21日 −2.1℃ −0.5℃

※1:マンガ引き:
凝固した寒天抽出液を巨大トコロテン突き器にいれる為、マンガと呼ばれる道具で7p×7p×37p程度に切り出す。

※2:
天出しする日は水晒を開始した日から3日後〜6日後。この為、長期間雨が続くと水晒することができない。

※3:タタキ:
天出しされた巨大トコロテンを平均的に冷凍・乾燥できるよう、均一にならしていく作業。

(報告/常務 森田尚宏)

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06 2020/02/06 大寒波と春の足音

 マルナカ寒天工場での2月に入ってからの平均最低気温は−4.6℃。これまでの暖冬とは一変し、毎日氷点下が記録されるという、なかなかの冷え込みである。製造の終盤ではあるが、寒くなれば寒天の製造が進む為、有難い。
 本日も大寒波の影響で、かなり冷え込み、最低気温は−5℃。10時になっても1℃と冷え込みが続き、風も強い。カチカチに凍った生天は昼過ぎても解凍されておらず(14時で6℃)、日光に照らされてキラキラと光っている。凍て取り(※)も今日は早く開始され(16:00)、細かく削り取られた氷が逆光に照らされながら寒天に降り注いでいく。今日は終日晴で寒天づくりにはなかなか良い日であった。
 昨日(2月5日)炊いたテングサは、本日(2月6日)搾汁され凝固工程に入る。搾汁残差を取り軽くつぶすと、ねっとりとした寒天質が感じられた。昨日(2月5日)の炊き具合は問題ないと判断した(実際、生天のゼリー強度を確認すると、高強度の良い生天であった)。
 一方で本日(2月6日)炊き込みに使用するテングサは晒場で洗浄され、釜への投入を待っている。こちらも確認すると問題ないと思われた。天産物であるテングサは、同じ産地でも少しずつ異なる為、状態確認は必要である。
 昼過ぎになっても気温は低いが、日差しは以前より柔らかい気がする。やはり立春(今年は2月4日)を過ぎると、春の足音が聞こえ始めるのか。来週はまた暖かくなる予報、今年の炊き込みは来週頭で終了となりそうだ。

※凍て取り:生天に微細な氷を振りかけて、生天を凍りやすくさせる作業。生天は微細な氷を中心として凍り始める。

※本日(2月6日)、東海テレビ様で弊社寒天製造の様子が放映されました。

(報告/常務 森田尚宏)

輝く凍った生天

夕方の凍て取り

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07 2020/02/14 静かな夕方

 12月から始まった天然糸寒天の製造も、2月になると春の足音が聞こえ始める。来週になると暖かくなる予報の為、マルナカ寒天工場は2月9日に炊き込みを終了した。本日(2月14日)は釜上げである(※)。良く働いてくれた釜や大フネに感謝しつつ丁寧に手入れして、来年に備えていく。
 天候は曇り、10時30分で8℃と寒波到来した先週とは違って暖かい。ただ、夕方から雨予報の為、簾を重ねてビニールシートを被せていく。釜上げとなっても、棚場には野上げ待ちの寒天が残っている。全ての寒天の野上げ迄には1週間程度かかりそうだ。最後まで丁寧に寒天を作っていきたい。
 夕方になると、やはり雨が降ってきた。無事終了ということで皆の緊張も若干和らいだのか。静かな夕方となりそうだ。今夜は釜上げの祝い酒でも楽しもうか。

※釜上:炊き込みが終了し、来年に備えて釜を分解していく作業。

(報告/常務 森田尚宏)

釜上げ作業

大フネ手入れ

釜の手入れ

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