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天然糸寒天製造報告
毎年12月から3月にわたって行われる糸寒天の製造報告です。
天然糸寒天製造報告 平成24年度(2012)
01 2012/12/04 初釜
02 2012/12/12 冬晴れ
03 2012/12/20 本日は晴天なり!?
04 2012/12/25 調子よし
05 2013/01/10 寒天日和
06 2013/01/17 続々と野上げ
07 2013/01/23 冷えるのは良いが
08 2013/02/06 立春
09 2013/02/14 春の陽射しを浴びながら

01 2012/12/04 初釜

 12月3日、弊社寒天工場炊き込み開始。いわゆる初釜である。短かった秋も終わり12月を迎え寒さを感じるようになってきた。昨日の最低気温は−4℃、ここ数年にしては冷え込みが早い。他の天然寒天工場では早いところでは11月30日炊き込み開始、遅いところでは12月8日とまちまち。
 写真は昨日炊いた天草をてこの原理を使って絞り込んでいるところ。昔ながらのやり方でじっくり絞り込むと後に残った天草の糟(カス)は綺麗なサイコロ状の立方体になる。絞りとった溶液が固まり生天となり、そのゼリー強度、融点と天草の糟の大きさ、煮え具合を見て次の炊き込みの調整をすることになる。職人頭領の腕の見せどころでもある。
 5日になれば初釜の生天が棚場に突き出され、いよいよ恵那市山岡の冬の風物詩、寒天シーズンの幕開けである。

(報告/専務 森田智治)

寒天の突き出しを待つ干し場

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02 2012/12/12 冬晴れ

 東海地方平野部でも積雪するほどの寒波が押し寄せた12月10日。寒天の里、恵那市山岡でも当然の如く積雪。翌日の11日の朝はガツンと−9度まで冷え込んだ。今までそれなりに冷え込んでいたのが今回の寒気で一気に凍てがはいった、そしてほとんどの生天は凍てが抜けた。恵那山を見れば山頂は真っ白、雪化粧をしている。冬本番の景色である。とはいえ日中は抜けるような青空が広がり気持ちのいい冬晴れ、寒天日和である。身体を動かせば汗ばみ、棚場の凍てが入った生天は溶け始め寒天に変わっていく。今年は新天の出来は早そうである。なんてことを思っているうちに陽が翳り始め、午後4時前には早くも気温は0度。早い時間にカリカリと凍て取りが始まった。冬至も近いせいか日没も早い。
 炊き込みも日を追うごとに安定してきて釜の調子も順調。こうなると出来上がった寒天を試験してどんな結果がでるか楽しみである。これにはもう少し時間がかかるが待ち遠しいことである。

(報告/専務 森田智治)

日没前に凍て取り開始

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03 2012/12/20 本日は晴天なり!?

 ここ数日曇りがちやら雨っぽい日が続いたが今日は晴天。今朝の最低気温は−9度。ガッツリ冷え込んで凍てもしっかり入った。このところ大体1週間周期で天気が変わっている。棚場には野上げ間近のもの、カガミに落とされて乾くのを待つものが広げられ、新天が出来上がる日も近いことを感じさせる。ここ最近の天気でなかなか野上げができそうもなく、早くも棚詰まりを起こすのかとの心配も杞憂に終わりそうでホッと一息である。
 先週同様夕方4時前には気温は0度。凍て取りも早い時間から始まった。西の空は暗くなり始め、放射冷却で今晩も冷え込みそうな気配である。5時にはすっかり夕闇に包まれ、冷え込んできたなと思ったら風花がひとひらふたひら、車のヘッドライトに照らされて舞っていた。

(報告/専務 森田智治)

野上げ間近の棚場

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04 2012/12/25 調子よし

 12月に入ってから寒い日が続いたが、本日は11時の時点で2℃と割合暖かい。ただ、吹く風は乾燥していてひんやりと感じる。天気も今のところは晴れで、今日も寒天日和だ。今日突き出された生天は、凍てが入りやすくする為に、重ねて日光で暖まらないようにしている。
 12月の初釜から寒い日が続いているので、焼けた寒天、ウラのついた寒天、シビが入った寒天はなく、全体的に白い綺麗な寒天が仕上がっている。棚場も4日分程度は乾かせそうで棚詰まりもならなそうである。
 野上げした寒天は1号から4号、例年と比較すると割合早い出来上がりである。また、5号から7号はほぼ乾燥しており、野上げ間近である。8号から12号は乾燥の具合は10%程度か。13号から19号はまだ完全に凍っており、乾燥にはもう少し時間がかかりそうだ。
 まだ野上げできる寒天は多くないので、午後になると、凍てとりまで仕事は一段落する。この間に、開いたスペースを用いて棚場を製作した。

テングサ搾り残渣
(有効活用をしたいところ)

棚場の製作

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05 2013/1/10 寒天日和

 年が明けました。おめでとうございます。世間では新春の挨拶が交わされ新しい年を祝う。とはいうものの寒天製造の工場ではいつまでも正月気分に浸っているわけにはいかない。年末だろうが新年だろうが自然は待ってくれない。正月休み返上で炊き込みをした工場もあり、この仕事は自然相手の実に厳しい仕事である。
 年が明けても去年の年末同様夜間は冷え込み、毎日の最低気温は-5度から-10度を行ったり来たりしている。そして日中は時折雪が散らつく日もあるものの毎日よく晴れて凍った生天は溶けどんどん寒天へと変わっていく。ここ恵那市山岡の地が寒天製造に適していると昭和初期に言われたころの天候も今年のような天候ではなかったかと思ってしまう。
 棚場を見渡せば前々日に突き出された生天まで凍ては抜け、その前のものまではカガミに落とされて乾燥を待つだけ。写真のようにカガミに落とされて野上げ近いものも多く、このまま晴天が続けば一気に上がってきそうな状態である。まさに寒天日和である。嬉しい悲鳴の反面、今度は精選荷造りに追われ、これはこれでまた忙しい日が続く。どちらにせよ自然相手の厳しい仕事には違いない。

(報告/専務 森田智治)

乾燥を待つばかりの棚場

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06 2013/01/17 続々と野上げ

 1月も半ばを過ぎ天然寒天の製造も後半戦に入ってきた。例年なら大雪に見舞われて棚詰まりを起こして釜休みがあったり、冷え込みが弱かったりで苦労するのだが今シーズンは順調すぎるほど順調。連日夜間は冷え込み、日中は晴天。気持ちのいい天気が続いている。
 先週カガミに落とされていたものが続々と今日は野上げされている。野上げされた寒天は陽に照らされてキラキラと白く輝き新天のまぶしさを放っている。春から夏に採れた赤色の海藻(天草)が煮出しされて生天となり冷凍、解凍、乾燥の過程を経るとこうも変わるものかと改めて感心してしまう。蛇足ながらもともと寒天は冬季、野外に放置されたところてんが夜間凍結、日中解凍、乾燥してできた偶然の産物なのです。
 野上げの後、少し日没が遅くなった夕方5時前、今度は凍て取りのカリカリと氷を掻く音が響き始め、工場からは今日の炊き込みの湯気が上がり始めた。

(報告/専務 森田智治)

野上げ

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07 2013/01/23 冷えるのは良いが

 1月に入ってからも変わらず寒い日が続いている。本日も雨で割合暖かく感じたが、11時の時点で1.5℃と、気温は低い。風が無い為、あまり寒さを感じないのであろう。
 棚場の寒天はカガミの状態になっているものが少ない。強い冷え込みは、色の白い良質な寒天もできる一方、乾燥が遅れるからだ。ただし3朝分程度の空きはある為、棚詰まりの心配はなさそうである。
 各々の寒天に注目すると、29号〜32号は50%程度乾燥しており、あと1週間もすれば、野上げされるだろう。33号〜34号は凍っており、1週間〜2週間程度、乾燥に時間がかかりそうである。36号〜39号は水分も十分に抜け切れておらず、凍っている。これらも乾燥に1週間〜2週間程度、乾燥にかかりそうである。寒天自体は全体的に色が白く、ヤケやウラがついていない。
 気づけば1月も後半。寒天製造期間もあと僅かだ。

(報告/常務 森田尚宏)

テングサより抽出した寒天原液を凝固させている。

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08 2013/02/06 立春

 2月4日は立春、暦の上では春。2月に入って1日はガツンと冷えたがその後は雨、晴れ、雨と比較的暖かい朝が続いている。いままで順調すぎるほど毎日凍てが入り日中晴れていたのが立春の名のとおり急に春めいた陽気になってしまい凍てが入らなくなってしまった。棚場をまわれば凍ての入っていない生天が何日分も溜まっている。今日は朝から雨。写真のように棚場はシートをかぶったままで、当然乾くわけもなくしっとり雨に打たれた状態である。そういえば去年のこの時期は逆に大寒波に見舞われ棚詰まりを起こしていたような気がする。なんにせよ、2月は寒い日、暖かい日が入れ替わり立ち替わりやって来て春になって行くんだと感じさせる月でもある。
 例年2月20日頃をもって炊き込みを終了していたがこの陽気で今年は少し早まりそうな気配になってきた。他の天然寒天工場も13日やら16日やらとまちまちながら例年より早めの終了となりそうである。まだまだ寒波はやって来るとは思いつつこれからはますます週間天気予報に気を使うことになる。
 今朝の最低気温は3℃。日中の最高気温は4℃。ほとんど気温の変わらない一日だったが3時過ぎから雨も上がり夕方近くになって雲も切れ始めてきた。今晩の冷え込みに期待。

(報告/専務 森田智治)

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09 2013/02/14 春の陽射しを浴びながら

 冬の天気、春の天気と日毎に変わるこの2月、今日はぽかぽか陽気の日。最低気温は−4℃ながら日が昇るにつれ気温はぐんぐん上昇していき10℃を超えていった。ちなみに昨日の最低気温は−8℃と北風も吹き冬の日。写真のように昨日の寒さで2日前に天出しされた生天に凍てもしっかり入っている。目を移せば春の陽射しを浴びて乾き上がった寒天がどんどん野上げされていく。
 例年なら2月20日頃が最終炊き込みになるのだが今年は春の訪れが近いようで弊社工場は明日15日で炊き込み終了となる。他の天然寒天工場は13日で炊き込み終了のところもあれば17日のところもあるものの例年よりどこも早い終了のようである。まだまだ寒波はやって来るのだが春は確実に近づいてきているなと遅くなった日没にしみじみ思ってしまう。
 倉庫を見ればシーズン当初は原料の天草で溢れていたのが今ではすっかり整理されスッカラカン状態である。なにはともあれあと一日で炊き込み終了。

(報告/専務 森田智治)

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