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天然糸寒天製造報告 平成16年度(2004)
01 2004/12/05 寒天製造開始
02 2004/12/18 ようやく初霜
03 2004/12/25 天草の洗浄
04 2005/01/05 ようやく順調
05 2005/01/18 棚場の増設
06 2005/01/22 突き出し、冷凍、融解、乾燥
07 2005/02/04 天然寒天の自然条件
08 2005/02/16 [NHK]ためしてガッテンで寒天を放送
09 2005/02/26 天然寒天の釜揚げ日

01 2004/12/05 寒天製造開始

 今年も天然細寒天の製造がはじまった。この秋は雨が多く、また気温も異常に高かった。昨年もやはり暖かかったが、今年はそれ以上である。日柄の良い日を見て初釜をスタートさせるのがならわしで、今年は友引の4日を目安にした。が、4日の朝の最低気温がプラス6℃、今日の5日はプラス14℃であった。
 4日から5日かけて台風並みの低気圧がとおり大荒れの天気となった。ちなみに5日は東京では25℃の夏日であるとテレビが報道していた。
 操業工場数は今年も昨年同様、山岡町では14工場の予定であるが、暖冬傾向にあるので生産量は昨年よりやや落ちる見込みである。
 翌日の寒天を突き出す干し場の準備作業に余念がない。道路との境には、風に舞ってほこりがかからないように囲いをしていく。
 今後の冷え込みを期待したい。

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02 2004/12/18 ようやく初霜

 今朝のラジオで名古屋にようやく初霜、初氷が観測されたと放送していた。
 今までの例では平成3年が12月14日でこれが過去一番遅い初霜観測、つまり平成3年の一番の暖冬だったのを更新したわけである。その次の遅い初霜観測が平成10年の12月13日である。
 ちなみに翌年のてんぐさの生育状況、価格動向をみると、冬の暖冬でおおきく影響された様子はみられなかった。
 ところで写真にあるように、これまでに11日分釜で煮た寒天が凍らずにそのままである。今朝の名古屋の初霜観測というものの、山岡町の寒天の産地では−3度どまりで本当の寒波とはなかなかいえない。
 ちなみに平成3年の12月18日の山岡での最低温度はプラス8度と極端であった。
今年も年内は大きな冷え込みは無いようである。

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03 2004/12/25 天草の洗浄

 クリスマスに合わせたようにようやく寒天の製造に都合のよい天気になってきた。
 24日、25日と朝の最低温度がマイナス6.5℃となって干し場の生の天が凍ってきた。一安心である。
 写真は天草を洗う回転式の天草洗浄機である。
 タンクに天草を2日間、水浸して汐とあくを抜きその後、洗浄機で洗って釜に投入する。この洗浄工程はいつも均一に十分おこなうことが重要である。
 十分洗うことは寒天の仕上がりの色に影響してくるし、いつも均一に洗うことは釜の中の煮熟状態が一定になり製品の安定につながってくる。
 ところてんの製造の場合でもどうようなことがいえ、ところてんの光沢のよし悪しにかかわってくる。
 洗浄機械はこの六角型回転式のものから、コンクリートミキサー車を改造したもの、タンクの中を流していく流水式とあるが、基本的なことは均一、十分に洗うことを要点とする。

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04 2005/01/05 ようやく順調

 ようやく冬らしい天候になって夜間から朝にかけ冷え、朝の最低気温が−5℃から−7℃くらいになってきた。昼は晴れて乾燥もすすみ、順調にまわるようになってきた。
 昨年は、順調になってきたのは12月19日と記録されているので、今年は半月ほど遅れている。
 スタートからの10日間くらいの12月15日頃までは、まったく不順で製品になるかと心配したが、杞憂であった。今月の天候予想は平年並みということなので、やや一安心である。
 各工場とも、年末年始は正月休みとして3日から4日ほど休んだようである。これから立春までの約30日間が、天然寒天には最適な製造期間となる。

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05 2005/1/18 棚場の増設

 正月明けからの天候は、寒天の冷え込みには好都合なのだが、日中の天気が曇りから雪空が多くなり、乾燥が進まない状態が続いている。
 通常20日分くらいの干し場を確保しているが、それだけでは足りなくなってきて、急遽棚場を増設して、急場をしのいでいる。
 また、乾燥一歩手前のものは干し場から持ち出して、場所をとらないように積み上げて、なんとか乾燥面積を増やす努力をしている。そのためには干す道具の改良台や葦で編んだ天スが必要になる。
 天スは滋賀県、琵琶湖湖畔の近江八幡市の製造業者から残品があるというので取り寄せもした。まだまだ、外での冷凍、融解、乾燥の工程では苦労が続く。
 写真は干し場いっぱいに広がった凍った状態の寒天を示している。

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06 2005/1/22 突き出し、冷凍、融解、乾燥

 1月20日の大寒から2月4日の立春までが、一番の寒さの期間となっている。
 今回は天然寒天の冷凍、融解、乾燥の工程を写真で追ってみる。
 今が、釜から出した製造中の寒天が一番多く広がっているときなので、主だったところをチェックしてみる。
 1日目の写真は、一昨日釜に入れ炊き込み、昨日朝、搾り出したものを丸一日小船で放置し、今朝、天を突き出したものである。
 直径5mmのところてん状のものが並んでいる。まだ凍っていない。
 2日目の写真は、昨日突き出したところてんが、昨晩から今朝の冷え込み−5℃で凍ったものである。
 厚さが約5〜6cmのところてんの上から半分弱、凍っている。
 現在は午後1時で気温は約7℃、一部、凍ったところが融けはじめて部分もある。なお、融解だけでなく昇華で水分が抜けている部分もある。
 この繰り返しで、全部凍るまでに3日から4日かかり、それから乾燥していく。
 12日目の写真は、冷凍、融解、昇華、をくりかえし徐々に乾燥してきたものである。
 16日目の写真が、乾燥上がりまであと一歩、この状態から2日くらいで製品となる。
 以上、ざっと18日から20日くらい要している。今日現在では、一番早くでているものは22日前のものである。
 天日で晒されて乾燥していく過程で、寒天が漂白されていくので、寒のうちの長い期間かかって良い製品が仕上がっていく。


1日目


2日目


12日目


16日目

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07 2005/02/04 天然寒天の自然条件

 今日は立春である。日中、昼の時間がかなり長くなってきているのが実感される。
 今回は天然寒天の気象条件についてまとめてみる。
 まず、第1に冷えること。ところてんが凍るところが肝心であり、寒天の名前の由来でもある。夜間から朝方にかけて−5℃から−10℃までくらいが適当である。(寒天の命名は宇治、黄檗山万福寺建立の隠元禅師)
 次には製品が仕上がるためには融解、乾燥しなければならないので、昼間は晴れることが重要である。しかも風が強くないこと。
 このような条件にあった代表地域が、岐阜県の東美濃、恵那市山岡地区である。他には長野県伊那地区、京都府亀岡地区などもあげられる。
 1月20日の大寒から今日まで−5℃〜−7℃と冷え、日中は晴れて製造には好条件であった。
 角(棒)寒天の産地の長野県茅野地区では、糸寒天製造地域より夜間温度がさらに下がる。
 ところで年々温暖化が進み、岐阜地区では20年ほど前は90日ほど操業できたのが、ここ2〜3年は75日〜80日程度になっている。
 写真は1月30日に撮影、恵那市山岡町からみた恵那山である。
 恵那山は中央アルプス最南端に位置する標高2191mの美濃随一の名山である。日本百名山の76番にあげられている。
 この写真では山頂に雪をみることができ、この雪がある間は夜間の冷えが期待できる。
 この山の雪の有無をみては寒天の製造期の目安にもしている。

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08 2005/2/16 [NHK]ためしてガッテンで寒天を放送

 人気番組のNHKの「ためしてガッテン」で寒天がとりあげられ、寒天パワーのすばらしさが紹介された。
 寒天には食物繊維が81.29%含まれていて、これは食品中、ダントツの一番である。
 番組の内容は、いままでさまざまな健康効果があるといわれてきた寒天を科学的に実験して放送していた。
 そのなかから一部とりあげると
? 高血糖、高コレステロール、高血圧、肥満の改善および予防に有効なことが判明した事。
? 酸が添加された、固まらなくなった寒天の成分について、試験管レベルの実験でがん抑制作用と抗がん作用が認められ、将来的にこのような効果が人にも認められる可能性があると報告されたこと。
 今後の寒天に対する期待も大きいものがある。


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09 2005/2/26 天然寒天の釜揚げ日

 今年も天然寒天の最終日を迎え、各工場とも釜上げの日になってきた。当社工場も24日の最終込み日、昨日25日の釜上げとなった。
 天然寒天の場合はその年の製造が終わると工場内に備え付けてある釜を引け上げ、釜の内側を研磨、カシューを塗布して伏せておく。
 先週の16日にNHKテレビ「ためしてガッテン・寒天パワーの秘密」の影響で需要が急に増えそれに対応するために2〜3日延長している工場も見受けられる。
 3月上旬まで寒さが続くという予報もあり、恵那山にも雪がしっかりかかっているのでその点は安心である。

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