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天然糸寒天製造報告 平成14年度(2002)
01 2002/12/02 寒天製造開始
02 2002/12/09 天突き
03 2002/12/16 凍て始め
04 2002/12/18 寒風に天日で上質に
05 2002/12/28 天候の回復
06 2003/01/13 見学者
07 2003/02/09 3月下旬の陽気
08 2003/03/08 ことしも終了

01 2002/12/02 寒天製造開始

 今年も天然細寒天の製造がはじまった。
 これは、前日釜に入れ、炊いた天草の煮とけ汁を汲み出して、小舟とよばれるプラスチックの箱に流したところである。
 作業工程としては前日の午後5時ごろ釜へ原藻を投入。翌朝6時ごろ釜から汲み出して台舟といわれるところへろ過されたところてんを溜める。10時頃から写真の小舟に移しかえる。
 写真はその作業が完了したところで移し変えた直後で湯気がまだ立っている。一舟の容積は内容量約50リットルである。一釜からのところてん量は小舟数で65杯であるから3250リットルなる。投入原藻は約250Kgである。
 ここでの泡立ち具合、泡の消え具合でも糊の強弱がある程度判断でき、その日の釜の状態がうまく炊けたかどうかがわかる。
 今年の製造釜数は予定では昨年より1釜減って14釜の予定である。

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02 2002/12/09 天突き

 1日から始まった寒天の製造もここのところ天候が不順でうまく凍らない日が続く。
 13日の朝日新聞朝刊記事を載せた。前回紹介した小舟を外の棚場へ持ち出し午前8時過ぎからところてんを大きな天筒で突き出す。外気が冷えているので突き出すと水蒸気がたちのぼる。
 通常は筒に生天(ところてん)を入れる人とそれを突き出す人とペアで3組で作業をする。天突きとはいうものの正確には筒を引いて棚へところてんを並べていく。2人の呼吸が合うのがポイントである。正確に速くきれいに天が並んで突き出されていく。
 しかし天候不順でこのような生天がもう10日分ほどたまっていく。はやく、天気が回復して夜間放射冷却で朝方温度が零下10度近くになるのを望んでいる。

朝日新聞朝刊記事(11月13日)

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03 2002/12/16 凍て始め

 ようやく朝方温度が零下7度ほどになり寒天製造らしくなってきた。
 今回、岐阜新聞12月14日朝刊掲載のものを載せる。新聞写真は当社、マルナカ寒天工場の干し場である。いつもこのサイトで出てくる見覚えのある写真である。
 クリックすると先回紹介した生天がきれいにそろっているのがわかる。

岐阜新聞朝刊(12月14日)

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04 2002/12/18 寒風に天日で上質に

 連続して新聞記事掲載がつづく。中日新聞12月18日朝刊第1面のカラー写真で紹介されている。記事にも書いてあるように上質天然の寒天の良さは貴重なものである。
 原料がテングサ100%、自然冷却と自然光による融解、乾燥工程を2週間ほどかけて製品に仕上がっていく。これが和菓子原料に必要とされる風味と微妙な口あたり加減を演出している。
 18日、朝日新聞の朝刊13版11面には「工場産の菓子、冬の時代到来」として記事がある。名古屋の老舗大手の洋菓子店「ヒマラヤ」が今月末をもって本店を閉鎖する。「ヒマラヤ」はヒマラヤ美術館を併設していてお茶と飲みながら、絵画も鑑賞できる人気の店であったが、菓子店の不振から美術館の絵画も減り、美術館は閉館、店も閉鎖する。
 ほかでも昨年10月に民事再生法の適用申請した「洋菓子のヒロタ」(神戸市)、今年の5月の「スイス菓子ハイジ」(神戸市)、11月に自己破産した高級果物の「カンメ」(名古屋市)とまさに大手もきびしい状況である。
 それに対比して、工場で作った菓子より手作りを求める消費者が増え、手作り品を提供する菓子店は人気があるとしている。
 天然の細寒天は、消費者に喜ばれる手作り菓子(ようかん始め高級和菓子)の原料として重要な役目を担っている。
 天然細寒天の製造は翌年2月20日ごろまでの予定でいる。


中日新聞朝刊(12月18日第1面)

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05 2002/12/28 天候の回復

 今年の12月の天候は寒天の製造に今まで不向きであった。
 西高東低の冬型の気圧配置がなく、本州南岸に前線ができその上を低気圧が東進していくパターンである。12月1日から炊き込みはじめて3日に天だしを始め、まだ24日の時点では最初のものが乾燥して新寒天になっていない。
 外の日数では約20日分の面積しか確保してないのでいっぱいになれば釜休みをしなければならない。24日時点で3日休み、次の25日も休んだので、都合4日間休むことになる。最近では平成3年の時がなかなか寒さが来ず、難儀をしたおぼえであるが、今年はそれ以上である。
 25日くらいにラヂオで中国は北京に雪が降り積雪したことを報道していた。これは共産中国になってはじめてことであり約50年来、なかった異常気象であることを報じている。
 今日28日はようやく天候が回復して朝の温度が零下10度まで下がった。天気がよく夜間晴れて放射冷却が進んだことをあらわしている。昼は陽があたり一気に乾燥がすすみ、上の写真24日の干し場いっぱいの状況が今日28日には寒天上げができ、干し場が空き始めている。
 ようやくの天候回復にほっとしたところである。

12月24日

12月28日

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06 2003/01/13 見学者

 1月9日にTV番組みのもんた「思いっきりテレビ」で山岡町の寒天が紹介された。
 今日は成人式で休日のこともあって午前11時ごろには寒天の見学者が何人かきていた。近くは多治見からときたという人、尾張小牧ナンバーの車の人、とグループできている人もいた。
 この寒天工場は瑞浪方面からくると最初でもあり、又、寒天を干している棚場が道から近いこともありテレビ放映以後、ひっきりなしに訪問者がくる。車を停めて中に入って見ていく。寒天の凍った写真を撮っている。
 作業中のことであるので一声かけ、作業の邪魔にならないように見学してもらえれば糸寒天がひろく知られることでもあり結構なことである。
 このグループの人にはホームページを開いていることを話したがホームページは見れたかな。

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07 2003/02/09 3月下旬の陽気

 昨晩、低気圧の通過に伴い今時期としては珍しく雨が降った。寒が明け、立春が過ぎ暦にあわせたような展開になってきた。今朝は雨があがり朝の最低気温がプラス3℃になった。
 昼過ぎの1時30分には16℃と3月下旬並の陽気となった。仕事で体を動かすと汗をかくしまつである。しかし、そのおかげで乾燥はどんどん進んでいく。
 3〜4日後には寒波がくるというのでそれまでは乾燥がすすんで仕事がはかどることになる。

13時30分の温度 16度

乾燥が進む

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08 2003/03/08 ことしも終了

 今年も天然寒天の終了時期となった。ちょうど、昨年も同日にホームページにアップしている。
 当社の生産は昨年と同じ77釜であった。最終釜は2月22日の釜込みでそれが干し場に出されている。全部で4日分が最後の片付けで残っている。
 今年の岐阜県での冬期天然細寒天生産量は昨年比、1業者が減って14業者生産量は推計で約85トンである。昨年も2業者減っているのでこの2年で3業者減ったことになる。
 今年の特色として1月のTV番組、みのもんた「思いっきりテレビ」で取り上げられ、個人販売が増えたことにある。
 当社、山岡町の寒天製造業者、糸寒天の販売しているところすべてに注文が多くよせられた。天然の細寒天の良さがひろく認識されてきている。

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