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てんぐさ入札会報告
毎年6月から10月にわたって行われるてんぐさ入札会の報告です。
てんぐさ入札会報告 平成26年(2014)
00 2013/05/05 平成25年度てんぐさ概況報告
01 2014/04/10 静岡県第2回入札会
02 2014/06/12 静岡県第3回入札会
03 2014/06/17 徳島県第1回入札会
04 2014/06/19 東京都第1回入札会
05 2014/07/04 愛媛県第1回入札会
06 2014/08/07 静岡県第5回入札会
07 2014/08/19 和歌山県第1回入札会
08 2014/08/21 東京都第3回入札会
09 2014/09/02 徳島県第2回入札会
10 2014/09/04 高知県第1回入札会
11 2014/09/05 愛媛県第2回入札会
12 2014/10/09 静岡県第7回入札会
13 2014/10/16 東京都第3回入札会
14 2014/11/13 静岡県第8回入札会
15 2014/11/19 平成26年度(平成26.4〜平成26.11)てんぐさ概況

00 2014/05/11 平成25年度(平成25年4月〜平成25年11月)てんぐさ概況報告

 全国のてんぐさ入札(生産)量

以下の表は、平成25年までの年別てんぐさ生産数量(入札数量+入札外数量)です。

産地\年 平成25年 平成24年 平成23年 平成22年 平成21年 平成20年 平成19年
東京都 53 63 53 57 59 73 105
静岡県 117 115 101 155 219 238 286
三重県 16 15 11 18 11 26 111
和歌山県 14 14 21 13 15 25 58
徳島県 32 37 37 34 21 41 55
愛媛県 146 86 80 69 70 88 122
高知県 40 18 36 20 39 25 18
長崎県 23 21 26 15 16 13 9
上記産地計 441 369 365 381 450 529 764
全国生産量 559 481 489 442 558 673 924

(単位:トン)株式会社 森田商店 調べ 2014(H26)/3/5

 平成25年の全国生産数量は入札数量と入札外数量で559トンになった。平成24年は481トンであったので16%の増産となった。
 平成25年春先の各地から入る生育状況からして前年より増産が見込まれ、さらに採取時の天候、海況も比較的良好であったので増産につながった。
 しかし、産地毎にみると西日本、おもに四国地域は増産されているが、東日本の東京都、静岡県の伊豆地域は平成24年並からやや減産である。
 これは夏の天候は空梅雨と台風の多発あると言える。
 以下の数字は気象庁気象統計情報によるが、梅雨に関しては@一部地域を除いて梅雨入、梅雨明けともに平年並みか、やや早かったこと、A天草採取地域ではその期間の降水量が平年の80%であり空梅雨傾向にあったことによる。これが西日本地域の増産につながっている。
 一方、台風は多発年であり平成25年は31個が確認されている。また、本土への接近数も8個あり、平成20年から平成24年の5年間の平均個数4.2個を上回った。台風の発生、接近は海上にうねりを生じ天草出漁を阻害させることになり、伊豆地域の生産に影響していた。
 その結果東京都、静岡県ともに数量が集まらずに入札会数が予定より1回少なく終わっている。
 この数量の増減により、入札会の落札価格は西日本地域、特に愛媛県、高知県では対前年比15%程度の下落となる反面、静岡県伊豆地域では3.7%高(伊豆漁協平成25年11月11日発表;天草共販実績表)となった。
 平成25年の9月ごろの米の産地偽装から始まり、ホテル、レストランの食材偽装が報道されていたが、こと「てんぐさ」にかけては伊豆ものが一般には良いとされ、ところてん製品が伊豆表示原料であればその手当をしっかりしていることの証明にもなった。
 ところで、近年ウェイトが大きい海外品は韓国で平成25年850.9トン(平成24年514.6トン)、モロッコで平成25年850.6トン(平成24年826.8トン)となっている。総輸入量は平成25年2,141トン(平成24年1,890トン)であった。
 今年の輸入数量は昨年輸入量の113.3%と伸び、また国内生産量559トンの3.8倍となっている。
 平成24年からの為替が円安方向にふれて平成25年1月の80円後半から平成25年5月の100円内外に推移していくことから早めに輸入行動をおこし数量増につながったとみることができる。
 また、平成25年度(平成25年12月〜平成26年2月)の天然寒天生産は前年比、岐阜(細寒天)10%減、長野(角寒天)15%減で終了した。天候条件では寒天製造に好都合で2月半ば過ぎまで良く冷えていたのであるが、昨年同様、国内寒天需要が伸びず2年連続の減産となった。
 一方ところてん需要においては平成25年春から夏の天候が少雨、晴天で続いたことから平成24年より5%ほど伸びた。
 今年の天草状況の見通しは輸入天草価格が高止まりしているので国産天草の需要が増えること、また作柄は2月〜3月の海況が天草に良いことから増産されるとみられ、昨年より活発な取引が期待される。一方最近の報道によると(日経新聞 平成26年5月11日朝刊)今夏は5年ぶりにエルニーニョが発生しそうとしている。しかも可能性としてはまれにみる強さだった平成9年春から平成10年春にかけての状況に匹敵するやも、としている。
 エルニーニョ現象があらわれた場合は長梅雨、冷夏、暖冬の傾向になるので天草収穫量、製品(ところてん、寒天)販売動向など注視の必要がある。

(報告/社長 森田庄次)

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01 2014/04/10 静岡県第2回入札会

 2月に静岡県第1回の入札会が開かれ、今回は早くも第2回の入札会。ちなみに第1回入札は仁科浜のみの出品。今回の出品品目は土肥からは八木沢と小下田、西伊豆からは仁科浜、計649本16225kg。今年採取の天草ではなく去年採取のものである。
 写真は八木沢の組合倉庫。品種品目ごとに整然と積まれた天草はやや少なめの荷揃えの感がある。八木沢の次回の出品は夏の入札会になるらしくそれを加味しての今回は入札会前の現品見付である。八木沢、小下田の見付のあとは仁科浜の倉庫で見付、その後下田の入札会場へ移動。
 入札商社はファックス入札2社を含め計8社。今年の第1回の仁科浜の落札値からも予想できたことだが、結果は去年の最後の入札会の落札値をそのまま引き継ぐ形で下がることなく終わった。なかには下がるどころかぐんと跳ね上がった落札値を付けたものもいくつか出て、驚きと感嘆の入札会となった。
 4月からの消費税引き上げの影響で多少の景気後退があるのかないのかわからないものの、この結果をもって少しでもところてん、寒天需要が伸びてほしいところである。

(報告/専務 森田智治)

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02 2014/6/12 静岡県第3回入札会

 早くも静岡県第3回入札会である。もっとも第1回、第2回は去年収穫された西伊豆地域のものが主体であったのに対し、今回は東伊豆地域のものも加わり本格的に今年の入札会の幕開けである。出品数量は297本7,425kg。
 例年のごとくこの時期は浜の組合支所を回り、出来具合を確認。ここでよく耳にするのは海の中には天草はあっても採る人が減ったこと。海女さんの後継者がいなくて高齢化が進んでいるとのこと。ドラマで随分話題になっても現実は厳しいようである。写真は稲取の組合に飾ってある「天草を採っている海女さん」のパネル。もう1枚の写真は歴史を感じさせる下田市白浜の天草倉庫。最盛期は倉庫に納まりきれないほど天草であふれかえっていたそうだが今は少し閑散としている。
 入札商社はファックス入札2社を含め計8社。結果は去年の入札会からある程度予測されたことだが、一部下げのものもあったもののおおかたは下がることなく終わった。欲しいものには高値を覚悟で入札しないといけないということか。「死せる孔明、生ける仲達を走らす」誰が死んだわけでもなく策略を巡らせたわけでもないのだが今回の結果を見てふとそう感じた次第。

(報告/専務 森田智治)

海女さん

白浜倉庫

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03 2014/06/17 徳島県第1回入札会

 静岡県の入札会に続いて徳島県の入札会が開かれた。数量32.6トン(昨年14トン)、出席商社は8社(昨年7社)。
 昨年一年分の数量31トンが今年初回に出品されたのは、昨年初回の相場が良く2回目が下がったことをみての対応した組合があったこともさることながら、県南部の牟岐地区の量産がきいている。
 今年の4月から5月にかけてやや不作気味の報があったが、その後順調に生育が進んだとみられる。夏後半に行われる第2回も合わせると数年来、徳島県産として40トン未満で経過してきた量を上回ると予想される。ひいては今回の相場は弱くなると想定されるわけであるが、どの程度の下げ幅なのかがポイントとなり入札会が開始された。
 ところで、各組合のものが漁連倉庫に搬入されたのを見ての札入れとなるが、乾燥状態に組合間に差異があったのが目を引いた。(写真参照)
 同じ15kg梱包の同じ袋の大きさであるが乾燥の良い組合のものは口がはち切れんばかりに大きくあき、紙でおおわれている。他方、乾燥の不十分な組合のものは紐で締められ口が塞さがれているのがわかる。
 落札価格は品質にはばらつきがあるものの乾燥の良いものはそれ相当の価格がはいり、品質面では問題はないものの乾燥状態が芳しくないものは割り引いた価格が入ったようである。ひとえに採取後の人為的な面での差になるわけで改善すれば価格は一段とよくなると思われる。
 全体をみての価格は量が多いにもかかわらず、前年並みを基準としたところに落ち着いた。

(報告/社長 森田庄次)

乾燥の良い組合品の荷姿。

乾燥が芳しくない組合品の荷姿

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04 2014/06/19 東京都第1回入札会

 一昨日の徳島に引き続いて東京都第1回入札会が大田区京浜島の東京都漁連水産物流通センターで開かれた。
 13トン(昨年11.1トン)、とやや増産である。そのうち大島が大半であり波浮地区の赤あらめ、岡田地区の天赤、元町地区の天晒あらめが中心となっている。また、昨年採取したものを晒したと思われる式根島の天草青晒もあり増えた。
 組合の浜状況の報告から、予定している7月の2回目は量不足のためほぼ開催されずに次回予定は8月になることが漁連担当者から入札会前に説明された。
 ここのところ、各地増産傾向にあり相場下向き加減に牽制がかかった雰囲気になり入札会が開始された。結果は昨年価格に少し上乗せされた価格で決した。
 いま、梅雨時期に入っていることもあり雨の降り方、しとしと降るのか、ざっとは降るが止み間もある降り方になるか、で集荷量は影響される。
また、一部の浜で生じている天草の上端に付着している青、ベトともヌタとも言われる汚れが海の中で一荒れ、大きい波でとれるか、注目される。

(報告/社長 森田庄次)

漁連倉庫内の天草
赤草と奥に晒草がみえる

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05 2014/07/04 愛媛県第1回入札会

 6月17日の徳島県入札会に続き全漁連入札会第2弾、愛媛県入札会である。出品数量は139589kg、約140トン。一昨年の73トンに比べれば90%増、多かった昨年の119トンに比べても15%増である。入札商社は10社。
 入札会場には現物見本が写真のように袋の口が開けられよく見えるようにして並べてある。また出品数量が多い品には見本も1本ではなく何本も並べられ違いを確かめられるようにしてある。確かに同じ出品名でも比べれば見本に違いがあるのもある。どちらを信じていいのか迷うところだがこれはもう過去の経験から推測するしかない。数量的に全量並べるわけにももちろんできないし、見本以外の現物はまだ各島々の漁協にあるのだからやむを得ないところである。
 切り札は数量の多いものに関して圧縮梱包品は130本、それ以外は110本との説明があった。徳島県入札の結果と数量増を考えれば相場は下げ方向であるのは必至と思えるのだが一体どこまでの下げかが思案のしどころである。相場を読み違えないように切り札で数量調整をすることになる。欲しい品にはそれなりの値で切り札入札、同じ品でも残りの数量には少し安値と思える値で切り札入札。安値で落札できるものもあるかと思ったが、結果は意外としっかりした値で落札された。多少の下げはあったものの下値はそれほどでもなかった。韓国輸入品の価格と比較すればさもありなんといったところか。

(報告/専務 森田智治)

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06 2014/08/07 静岡県第5回入札会

 早くも静岡県第5回入札会。7月10日に行われた第4回入札会は弊社はファックス入札だったので2か月ぶりの伊豆下田訪問である。
 写真は須崎大間の倉庫での天草選別改良風景。
 今回の入札数量は806本約20トン。入札商社はファックス入札1社を含め8社。7月に開かれた愛媛県入札会のあと三重県、長崎県と入札会はあったものの数量が例年より少なく三重県入札会は現地入札ではなくファックス入札に変更、長崎県入札は弊社は出席しなかった。加えて東京都第2回入札会も数量不足のため中止。一気に減産ムードが漂い始めたなかでの今回の入札会である。他の入札会では落札値が下がることはあっても静岡県は下がることなくきていたのがより一層強含みの様相を呈してきた。今回60もの品種銘柄があるため休憩をはさみ結果発表。
 予想通りほとんど前回の値を上回る値で落札された。
 本日8月7日、暦の上では立秋。とは言え台風11号の影響もあり蒸し暑い1日でもあり、ヒートアップの入札会でもあった。

(報告/専務 森田智治)

須崎大間

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07 2014/8/19 和歌山県第1回入札会

 例年通りお盆明けのこの時期、和歌山県入札会が大阪海苔協同組合会館で開かれた。出品数量は約11トン。去年、一昨年の数量14トンからすれば2割以上の減。また天草の中でも「真草」だけでなく寒天製造に必要な「サル草」や「鬼草」が多く出品されるのが和歌山県入札会の特徴でもある。札締めは午後1時半。それまでに並べられた現物見本の見付である。各銘柄につき1本の見本しかないのはちょっと分かりにくいところでもある。
 今回真草と表示されながらもサル草が混じっていたり乾燥度合の良いものと悪いものがあったり、ベト(泥)付もあったりとそれでも見本を見なければわからないことがたくさんあった。
 例年出席している商社が今回欠席だったり、久しぶりの出席の商社もあったりで今回の出席商社は4社。三重県、長崎県と生産量減で相場は少し上向いてきた感があるが出席商社の顔ぶれと現物見本を見て、当初考えていた入札値を少し修正しての入札。結果は去年を下回るものも一部あったが大方は少し上回る値で落札。予想通りというべきか、欲しいものにはそれなりの値をつけなければいけないという結果であった。
 写真は三重県尾鷲市の海中風景。岩場に天草が繁っているのがわかる。

(報告/専務 森田智治)

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08 2014/08/21 東京都第3回入札会

 東京都第3回入札会が昨年とほぼ同時期の8月に開かれた。7月に第2回入札が予定されていたが、テングサの数量が集まらず、延期となり、今回の入札会となった。今回の出品量は426本、12,718kgで昨年よりも69%と減産であった(昨年は18,410kg)。
 東京都のこれまでの入札量(第1回〜第3回までの合計量)は25,800kgであり、昨年と比較して87%と減産となった(昨年度は29,562kg)。出品内容は伊豆大島の岡田地区と波浮地区が中心であるが、泉津地区や新島のテングサも出品された。
 出品されているテングサを確認してみると、例年通り良質であり、カキも少なく、アオの付着を感じた物は少なかった。ただし、天赤アラメ(ケグサ混)と表示されていても、産地によってはアラメが多い物もあれば、ケグサが多い物もあった。アラメの方が一般的に高値となる為、これらの混合している割合も加味して札値を決めていく。
 出席商社は10社。気候が暑くなく、トコロテンの販売量も大きくは伸びていないが、テングサの出品量は少なくなっており、また人気の産地ゆえ、若干高値になると予想され、事実そのような傾向となった。その中でも特に人気のある草はかなり高値がつき、ケグサであるのにアラメよりも高値となる逆転現象が起こった。
 4回目の入札は集まってから開催予定だが、開催時期は未定である。

(報告/常務 森田尚宏)

入札会場に保管されているテングサ

海に面した入札会場

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09 2014/09/02 徳島県第2回入札会

 徳島県第2回入札会が昨年とほぼ同時期の9月2日に開催された。出品量は11,939kg、昨年第2回入札会より68%と減産である(H24年第2回出品量:17,601kg)。一方で第1回入札会は出品量が多く、全体として44,570kgと139%の増産となった(H25年出品量:31,876kg)。愛媛県も増産傾向であるが、徳島県入札と同じく、第2回入札会は減産である。油代が高騰したことにより、後半から出漁控えが影響していると思われた。全国的に見ると減産傾向である。
 テングサ自体にはカキが割合付着していたが、これはこの時期に出品されるテングサの特徴である。また、例年はベト(泥状のものがテングサに付着していること)がつかない産地にベトが付着していた。この為、第1回入札会とは別で入札値段を考慮しなければいけない。一方で実際にテングサを鍋で煮てみると、良質のトコロテンができる産地も有り、一概に外見のみで判断することはできない。
 入札業者は5社。入札も後半に入り、他業者も割合必要量を確保し初めていることから、高値にはならないと予想したが、更にテングサを購入したい業者も有り、割合高値となった。1日あけて高知県入札、愛媛県入札と続く。これが終わればほぼ今年の入札は終了する(静岡県入札、東京都入札は実施可能性有)。

(報告/常務 森田尚宏)

テングサ保管会場

綺麗に晒されたテングサ

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10 2014/09/04 高知県第1回入札会

 9月四国入札会第2弾、徳島県に続き高知県入札会である。前日に高知入りして早速県漁協にある現物見本を見付。春から採取されたものばかりでカキ付やベト付がなくきれいなものが多い。ただ今年の高知の夏は8月に台風被害だけでなく雨降りの日も多く、やむを得ないことながら少し乾燥度合がよくないものもあった。
 出品数量は約20トン、去年の約30トンに比べれば約10トンの減産。雨の日が多かったのも減産のひとつかもしれない。出席商社は7社。札締めは2回に分けて行われるのも高知県入札会の特徴。1回目の札締めは三津支所のみで結果は即発表。落札業者のみの発表で落札価格は発表されずに休憩をはさみ2回目の札締め。1回目の入札値で落札できたかできないかで2回目の入札価格の修正を余儀なくされる。結果は2日の徳島県の落札値同様、去年の落札値を上回るものばかりとなった。特に晒天草については高値を付けたものが多かった。
 入札会が終わると去年同様レンタカーを使い商社4人で愛媛松山まで呉越同舟、移動の旅。
 土佐の高知と言えば幕末の志士で有名だが最近ではやなせたかしさんの故郷としても有名。写真ははりまや橋交差点角に立っているアンパンマン。

(報告/専務 森田智治)

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11 2014/09/05 愛媛県第2回入札会

 愛媛県第2回、全漁連共販入札会最終回である。今回出品数量約20トン、第1回の140トンと合わせると計160トン。去年の通年収穫量145トンもここ数年100トン以下だったことからすれば増産だったが今年はそれを上回る数量である。前年を上回ったのは徳島県と愛媛県だけである。愛媛県は増産とは言え三重県、和歌山県、長崎県、高知県は減産、相場としては下がることなく9月の徳島県、高知県と高値で推移してきての入札会である。応札商社も例年より多く7社。
 愛媛県第2回入札会は夏以降に採れたものが多くカキ付のものもあるのだが、今回第1回の入札会に間に合わず持ち越されたものもあって見付も大変である。
 結果は予想通りというべきか去年の第2回を上回るものばかり。高知県と同様、特に晒に高値がついた。今年の夏は雨の日が多く晒が思うようにできなかったことが原因と思われる。
 全漁連共販はこれにて終了。残すは静岡県と東京都のみになった。

(報告/専務 森田智治)

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12 2014/10/9 静岡県第7回入札会

 春からほぼ毎月1回のペースで開催されている静岡県入札会、今回第7回入札会である。朝から各組合支所へ現物見付をするため前日に伊豆まで移動。当日最初に行った先は今回出品数量の8割以上を占める土肥支所八木沢。現物見付をしたいと考えていることは皆同じようで応札商社5社が八木沢の組合倉庫に顔を並べた。組合員の方から説明を受けながら皆で色々意見を言いながらまたぞろ今度は同じ土肥支所の小下田の倉庫に移動。小下田は今回の出品ではないが次回の入札会に出品予定のために集荷されたばかり。その後は土肥から下田に移動して須崎での見付。写真は須崎大間の倉庫。この時期にしてはカキ付、青の混入も少なく綺麗なものが多いのがわかる。
 今回の出品数量は956本23,823kg。また今年の今までの年間数量は約88トンと昨年の年間数量と比べてみれば2.5%の増。微増である。応札商社は今回ファックス入札はなく全社出席の8社。今までの相場の流れからすると下がることはないだろうと思われるのだが、現物の見付をして「これは…」というものもあり下方修正をするものもでてきて頭を悩ます応札となった。
 結果はほとんど前回落札値より高値で落札。また前回と変わらないものも一部あったが現物と落札値を考えればやはりこれは高値、上げ相場と考えるべきかもしれない。静岡県入札会は11月に最終回の第8回。東京都入札会は1週間後に開かれる。

(報告/専務 森田智治)

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13 2014/10/16 東京都第3回入札会

 10月16日に東京都第3回入札会が行われた。今回数量は17.4トンで今年の入札累計数量は43.3トンとなった。昨年の累計数量は44トンなのでほぼ同数量であるが、2回までの数量が少なかったので高値で推移してきた。
 夏の降雨量の多さと9月後半から10月にかけての台風、18号、19号の影響で採取環境が良くなく水揚げ数量減となっていた。
 もっとも西日本地域、特に四国地区は豊作で水揚量も多かったのであるが、東日本地域、東京都伊豆諸島はじめ、静岡県伊豆半島、千葉県房総半島、神奈川県三浦半島では軒並み昨年より減産となっている。
 もともとの作柄不良に採取条件不良が重なった影響である。
 ともかく今回の入札は昨年同時期の481本14トンより20%ほど多く582本17トンであったが結果今までの高値流れで落札価格は前回より高く、また、昨年比同期の1割高から2割高となった。
 入札後、漁連、生産組合と問屋との情報交換、懇親会が行われた。
 その中で10月一杯まで漁期がありそれまで2週間ほどあるので採取すること、また来年度からは最終入札会を11月第1週木曜日にずらすこと。今年これから採取の分は年内に応札するか、来年初回にまわすかは数量次第であるが漁連から連絡を待つこと。
 さらに晒草について等級は品質を的確にみて1等上、および1等と決定していくことが確認された。
 今回の品は新島を中心に晒草は2等表示となっているが1等としても遜色ないものであり、伊豆大島の赤草については採取時期が8月ごろのものが多く例年よりカキの付着が少なく上品であった。
 年内、入札会は静岡県の11月を残すのみとなった。

(報告/社長 森田庄次)

晒草と赤草がみえる
(例年より品質が良い)

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14 2014/11/13 静岡県第8回入札会

 静岡県第8回入札会、泣いても笑っても今年最後の入札会である。できれば笑って締めくくりたいところだが、まずは土肥支所小下田倉庫で現物見付。前回同様応札商社5社が顔を揃えて賑やかな見付となった。その後西伊豆町仁科で見付をした後、入札会場の下田へ移動。
 今回の出品は516本12,804kg。そのうち小下田からは253本、仁科から203本の出品でこの二つの支所で大半を占めた。応札商社はファックス入札1社を含め8社。
 今年の静岡県の入札会は欲しい品には常に予想以上に高値が付き、それが他の品にも波及して回を追うごとに相場が上がってきたように思える。
 西風が強く吹き海上の波も高い寒い日になったが「天気晴朗なれども波高し」の言葉にならいちょっとオーバーとは思いつつZ旗揚げるくらいの気持ちで応札。やはり次々と高値が付いた結果となった。
 入札会終了後は組合生産者と応札商社の懇親会が開かれた。その中で組合長から今年の平均落札値は去年に比べ8%アップであったとの話があった。平均で8%だからそれ以上の高値が付いたものもあって当然。当の応札商社でありながら常に高値が付いたわけだと妙に納得した次第。来年の入札会は2月に第1回、4月に第2回が予定されていることも合わせて発表された。

(報告/専務 森田智治)

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15 2014/11/19 平成26年度(平成26.4〜平成26.11)てんぐさ概況

 全国のてんぐさ入札(生産)量

平成26年は入札数量、*の高知、長崎は一部入札外数量を含む。**は推定値。
平成25以前は生産数量(入札数量+入札外数量)です。

産地\年 平成26年 平成25年 平成24年 平成23年 平成22年 平成21年 平成20年
東京都 49 53 63 53 57 59 73
静岡県 101 117 115 101 155 219 238
三重県 8 16 15 11 18 11 26
和歌山県 11 14 14 21 13 15 25
徳島県 44 32 37 37 34 21 41
愛媛県 160 146 86 80 69 70 88
高知県 * 30 40 18 36 20 39 25
長崎県 * 10 23 21 26 15 16 13
上記産地計 413 441 369 365 381 450 529
全国生産量 ** 470 559 481 489 442 558 673

(単位:トン)株式会社 森田商店 調べ h26(2014).11.19

 今年のてんぐさ入札会は平成26年11月13日の静岡県第8回入札会で終了した。
 最終回は西海岸の仁科浜と小下田の組合が主で13トンの出品であった。全国の生産数量は入札数量と入札外数量で推定470トンになった。平成25年は559トンで、対前年84%となり16%の減産となった。
 今年は当初、西日本地域では増産傾向が見られ昨年より安値気配でスタートしたものの、後半は天候に大きく影響され全国的に水揚げ量が減り、価格は昨年を上回る結果となった。
 梅雨入りは九州南部、四国は平年並み、他地域は早く、一方梅雨開けは平年並みであった。ところが7月以降全国的に曇りや雨の日が多く8月には台風11号、12号と集中豪雨があった。西日本太平洋側の8月の日照時間は1946年の統計開始以来最も少なく平年比54%(気象庁、報道発表資料「8月の天候」平成26年9月1日発表)であった。
 結果、全国的に生産量が伸びなかったところに伊豆半島では平成23年来100トンほどで推移し、その前の5年間平均200トンレベル(平成18年〜平成22年平均224トン)からおおきく減っていて、今年後半は入札会が行われる度に落札価格は回を重ねるごと、上回った。
 海外品の輸入動向については韓国からが平成26年9月末時点で210トン(平成25年9月末701トン)、モロッコからが平成26年9月末で541トン(平成25年9月末546トン)となっている。
 今年の総輸入量は平成26年9月末までに1,037トンと昨年同時期比64.2%に止まっている。(平成25年は9月までに1,615トン)。年間輸入量は統計発表が待たれるが昨年より大巾に減ることは間違いない。
 ひとえに韓国からの数量減によるが韓国産輸入価格は9月末時点(1月〜9月の累計価格)で昨年一年間累計価格の20.8%高となっている。価格高の一因は為替の円安ウォン高12.5%である。(2013年7月平均,100ウォン=8.8円→2014年7月,平均100ウォン=9.9円)
 よって国産天草の低価格帯のものと大して変わらない状況になってきた。もちろん国産天草の中価格帯、高価格帯のものは先に示したように減産により輸入品に比較して2倍〜3倍、たとえば伊豆産の類もある。
 11月に入り為替がさらに円安(対ドル、対ウォン)に進んでいるのでこの傾向は一層強くなる。
 なお、全国数量確定値は平成27年3月末に報告できる。

(報告/社長 森田庄次)

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