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てんぐさ入札会報告
毎年6月から10月にわたって行われるてんぐさ入札会の報告です。
てんぐさ入札会報告 平成23年(2011)
00 2011/04/24 平成22年度てんぐさ概況と大震災の影響
01 2011/04/14 静岡県第7回入札会
02 2011/05/19 東京都第1回入札会
03 2011/06/15 静岡県第1回入札会
04 2011/06/23 徳島県第1回入札会
05 2011/07/06 愛媛県第1回入札会
06 2011/07/08 三重県第1回入札会
07 2011/07/21 東京都第2回入札会
08 2011/07/22 神奈川県城ヶ島漁協第1回入札会
09 2011/07/27 静岡県第2回入札会
10 2011/08/03 長崎県入札
11 2011/08/10 和歌山県第1回入札会
12 2011/08/17 静岡県第3回入札会
13 2011/09/02 徳島県第2回入札会
14 2011/09/08 高知県第1回入札会
15 2011/09/09 愛媛県第2回入札会
16 2011/09/14 静岡県第4回入札会
17 2011/10/19 静岡県第5回入札会
18 2011/10/20 東京都第3回入札会
19 2011/11/16 静岡県第6回入札会
20 2011/11/23 平成23年度(平成23.4〜平成23.12)てんぐさ概況


平成22年(2010)22回
平成21年(2009)19回
平成20年(2008)23回
平成19年(2007)24回
平成18年(2006)27回
平成17年(2005)24回
平成16年(2004)26回
平成15年(2003)27回
平成14年(2002)23回
平成13年(2001)20回
平成12年(2000)26回

00 2011/04/24 平成22年度(平成22年4月〜平成22年12月)てんぐさ概況と大震災の影響

 全国のてんぐさ入札(生産)量

以下の表は、平成22年までの年別てんぐさ生産数量(入札数量+入札外数量)です。

産地\年 平成22年 平成21年 平成20年 平成19年 平成18年 平成17年 平成16年
東京都 57 59 73 105 127 115 94
静岡県 155 219 238 286 222 180 142
三重県 18 11 26 111 100 66 54
和歌山県 13 15 25 58 47 42 29
徳島県 34 21 41 55 93 97 51
愛媛県 69 70 88 122 237 189 130
高知県 20 39 25 18 16 8 7
長崎県 15 16 13 9 24 24 7
上記産地計 381 450 529 764 866 721 514
全国生産量 442 558 673 924 1002 843 605

(単位:トン)株式会社 森田商店 調べ 2011/3/2

 平成22年度(平成22.4〜平成23.3)の国内てんぐさ生産量は442トンであり、昨秋見込みの460トンを下回る結果となった。
 平成22年3月静岡県で25トンの入札があり、漁連の会計年度処理上平成21年に計上されているが、実務上平成22年に算入した方が理にかなっている。それでもその分を加えても467トンにとどまる。
 実に過去13年間(平成9〜21年)の内、最低の平成15年の537トンの18%減であり、不作の平成21年の558トンに続き、さらに大幅な減産となった。昨年、後半8月以降30%〜40%ほど浜の入札価格が上昇したことの裏付けともなる。
 この数量減を補ったのが輸入てんぐさ、韓国産とモロッコ産である。韓国産で722トン(前年275トン)、モロッコ産728トン(前年472トン)と大幅に伸びてこの2カ国を含む輸入合計は1,913トンとなり前年の1,151トンと比較して762トンの増となった。これら輸入分を合計すれば供給量総計では平成22年は2,355トンとなり平成21年1,709トン、平成20年の1,844トンを超すことになり充分、あまりある。
 また、平成22年12月から平成23年2月までの天然寒天の製造は久しぶりに寒い冬となり、ほぼ例年どおりの原料てんぐさの消費となった。
 ところで平成23年3月11日に起こった未曾有の大地震、大津波を引き起こした東日本大震災は、広範囲に大きな被害をもたらし、射能汚染の危機が福島県を中心に続いている。
 この地震、津波による直接的な被害はてんぐさの主産地が太平洋岸にあるため被害らしい大きなものは起きていない。
 また、原発の汚染水が海洋に流出して放射能にてんぐさがさらされることも黒潮の流れが太平洋沿岸を北上しているため現状、その心配もない。参考記事;朝日新聞平成23年4月23日朝刊
 また、農林水産省の発表する、食品中の放射性物質の調査結果によってもてんぐさの生産地の関しては問題はない。(平成23年4月23日現在)当該webサイトhttp://atmc.jp/
 今年のてんぐさの動向は震災による供給不足懸念により3月、4月は高値相場であったが、今後は寒天やところてんの需要減退が予想され、価格がどのように変化してくるか注視が必要である。

(報告/社長 森田庄次)

朝日新聞H23.4.23朝刊より

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01 2011/04/14 静岡県第7回入札会

 今年初めての静岡県での入札会。ただし第1回ではなく第7回である。本来なら3月29日に22年度の最終回として開催される予定だったのが延期となり今回の入札会となった。理由は3月11日の東日本大震災によって各地で被災、その後も予断を許さない状態になってしまったことによるものである。交通網も乱れ、開催場所もいつもの下田市伊豆漁協ではなく静岡県漁連沼津事業所と異例である。
 余談ながら写真は沼津事業所から見た港と富士山。思わずパチリと撮ってしまいたくなる風景。このような時でも富士は日本一だと思わせてくれる、そんな山である。
 今回は八木沢と仁科浜の組合から合わせて760本、19トンの出品。震災の影響で関東以北のところてん需要は落ち込むと予想されるいっぽう、今年の収穫量は少ないのではないかという見方もあり相場はどちらに振れるかわからないところで今年初めての入札会となった。入札開始前に県漁連の方から今回の原発事故による放射能汚染について、静岡県のものは現時点で安全であることとこれからも随時対応していくとの説明があった。なにより風評被害が一番心配なところである。
 入札商社はファックス入札3社を含め計8社で行われた。蓋を開けてみれば前回最終回の相場を上回る高値がついた。国産天草、特に伊豆産の需要が増えたのか震災の影響なのか答えは次回の入札会まで待つことになる。
 最後に震災の被害にあわれた方に心からお見舞い申し上げます。

(報告/専務 森田智治)

沼津港からの富士山

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02 2011/05/19 東京都第1回入札会

 例年6月の半ばに開催される第1回入札会が今年は5月開催となった。過去20年来なかったことである。とはいえ出品量は291本8,730kgで極端に多いとは言えない。第2回が6月に予定されているが今のところ300本程度と見込まれていて2回分を合計すると591本となり一昨年の第1回の542本とほぼ同量となる。少なくとも昨年の極端な不作ではないことは確かである。
 総じて言えば水温が冬場に低く、春先以降高くなって生育に良かったと言える。出品の中身は波浮港の天赤あらめが多く大半を占めているが、てんぐさ全体に青粉が絡んでいる。
 出席商社は12社とほぼ全員が顔を見せた。ひとえに東日本大震災の原発放射能の影響がどの程度あるのか、漁連の説明を求めて参加したように思えた。
 入札開始前にそのことの説明がおこなわれた。
 「いままで水産庁の指示により3月末に東京都水産物の内、魚類でキンメダイ、貝類でトコブシ、藻類でトサカノリをとりあげて検査した結果いずれも、検出されず、もしくは基準値の400分1の値で全く問題がなかった。よってテングサに関しても問題ないと想定される。」との内容であった。
 業者としては需要家から説明を求められた場合に資料が手元にあると好都合であるとの要望がでて、漁連の経過報告書が作成されることになった。出来しだいそれを開示していく。
 さて、入札会の結果は昨年の3割〜5割高価格と一昨年の価格の中間値で落ち着いた。
 今後は夏の天気、特に気温の高低が相場に影響していく。

(報告/社長 森田庄次)

東京都第1回、
波浮港天赤荒青混1等151本口

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03 2011/06/15 静岡県第1回入札会

 静岡県漁連第1回入札会。とはいうものの、4月に昨年度の最終入札会として第7回が開催されたため第1回という気がしない。開催場所は沼津事業所ではなくいつもどおりの下田市の伊豆漁協である。
 今回は全体で444本11,100kgの出品。去年の同時期810本に比べると約半分強である。入札会場に並べられた見本も少なくちょっと寂しい感がある。この内前回の入札会で高値がついた影響からか西伊豆の仁科浜からは384本の出品があった。今回仁科浜の天草は昨年までに収穫されたものばかり。海が荒れている日があったり例年より10日以上早く梅雨入りしたこともあったりで、なかなか漁に出かけられない状況のようである。このことは他の地域でも同様らしく静岡県入札の翌日6月16日に予定されていた東京都の入札会は収穫量が少ないためか延期になってしまった。
 組合関係者の話では今年の天草の生育具合はあまりよくないのではないか、生産量は少ないのではないかという話もあり疑心暗鬼のなかでの入札会。入札商社はファックス入札を含め計9社。結果は前回を上回る値がつくものが続出。入札した業者間でも驚きの声が出るものもあった。「欲しいものは相場以上の値を付けなければ買えないのだよ」と神の声を聞いた入札会であった。

(報告/専務 森田智治)

入札用のてんぐさ見本

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04 2011/06/23 徳島県第1回入札会

 今年度も全漁連共販主催の入札会が徳島県より始まった。入札量は22709.6kgで昨年度とほぼ同等であった(昨年度:204225.5kg)。量は少ないが一昨年よりは増産している。3月に関東東北大震災が発生したが、採取に関しては特に徳島県では影響は見られなかった。
 昨今、合併の話をよく耳にするが、漁協にもその波がきているようだ。合併された場合、採取された天草がどの地区で採取されたか不明になる懸念がある。トコロテンを製造する企業は微妙な食感を求めていることが多く、特定の地区の天草を好んでいる企業も多い。この為、出品される天草がどの地区で採取されたか分かるようにして欲しいところである。
 現場には前日から入り、実際の天草を確認した。今年はアオが多く付着している地域があるが、徳島で出品された天草はアオが多くなかった。アオが多くなると天草の歩留まりが下がるので、アオが少ない方が良質となる。乾燥状態も歩留まりには重要な要因であり、乾燥状態が良い方が良質である。湿っていると、天草の歩留まりが下がる為である。今回出品された浜では乾燥状態の良い浜もあれば悪い浜もあった。その他、カキの付着具合(カキの付着が少ない方が良質)や藻体の長さ(短いと寄り草のように見えてしまう)を確認し、最終的に、地区のブランドを考慮して入札値を検討していった。全体的に良質な天草が多いと感じた。
 入札会は全部で9社であり、11時に札が閉められた。これまでの入札会の傾向を受けてか、または放射性物質の影響を受けてか西日本である徳島の天草は昨年より強い札となった。その中で、弊社は上質な天草を購入することができた。
 震災の復興が言われる中、経済を回していくことも重要なその手段である。原子力発電所の事故が問題となっているが、天草自体は全国的に見ても放射性物物質の影響を受けていないとのこと。風評被害に対して問題ないことを説明し、天草を購入、トコロテンや寒天を製造していくことも、復興の一端と考えている。

(報告/常務 森田尚宏)

天草を確認する弊社専務

徳島県入札会の会場

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05 2011/07/06 愛媛県第1回入札会

 例年通り、第1回愛媛県入札が7月の上旬(7月6日)に開催された。今年の出品量は約65トンであり、昨年度とほぼ同量であった(昨年度:約60トン)。徳島県と同様に関東東北大震災の影響は受けていないようである。生産量としては、このところ安定しているが(一昨年65トン)、一時は200トン、H20年でも約80トンであった為、以前と比較すると減少している。
 愛媛には前日入りして朝から確認した。全体的に徳島県の天草と同様、アオが少なく感じられたが、雨当たりで変色したと思われるテングサが多く確認された。
 製造業者の中には晒されていない赤い状態のテングサ(通称:赤草)も希望するところもある。赤草といっても、どれでも良いというわけでなく、やはり製造業者が希望する産地の赤草を購入しなければならない。赤草で販売する場合、入札値がダイレクトに影響する為、相場が上がっている現在、入札値は慎重に検討しなければいけない。
一方で産地が近ければ、テングサの様相も似てくる。この為、希望するテングサと様相が似ていれば、それも購入対象としていく必要もある。様相について、大きく分けて言えば、豊後水道に面した地域では天草の枝葉は細かく生い茂った様相であり、瀬戸内海側では細く長い様相である。
 入札業者は11社であり、札締めは12:00でその場で開票された。相場は上がり気味であるが前回の入札ほどは買いに走った感は無かった。相場の上がり幅はこれで止まりそうである。

(報告/常務 森田尚宏)

産地毎に天草を見付けていく

全体風景

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06 2011/07/08 三重県第1回入札会

 例年通り、三重県第一回入札会が7月上旬に実施された。今回の入札量は6トン、昨年も少なかったが今年は更に少なかった(昨年11トン)。倉庫に入ってもガランとしていて寂しい限りだ。これは震災の影響ではなく、一時の安値のイメージが採取業者に残っており、アワビやカキの採取に移行していることが影響しているのではとのこと。テングサの相場は上がり傾向であるが、あまり状況は伝わっていないかもしれない。またアワビやアサリの相場の方がより上がっているのかもしれない。
 いつも通り、午前中に漁連に到着したので倉庫に保管してある天草を確認した。アオの付着具合は徳島県や愛媛県と同様に少ないように感じられたが、晒草にはアオが付着している物が多くあった。カキについては、例年多く付着している地区のテングサが今年はさほど付着しておらず、良質といえた。一方で例年よりも細くなっていたり、枝葉が少なくなっていたりしている地区のテングサもあった。
 グレードとしては上から上天、中天、下天となっていくが、その差がはっきりしているわけではない。中天といっても上天クラスのものもあった為、札値を上手く検討すれば、良質の物が上手に購入できる。
 札値には地区のブランドも関係してくる。ただブランドだけで札値を購入すると実際の使い勝手で困惑する場合がある。同じ地区であっても例年より未成熟であった場合は使い勝手が悪くなるからである。最終的にはテングサの様相とブランド、出品量で相応の価格を検討していく。個人的にはブランドにかかわらず、良質な物を紹介したい為、天草から抽出される寒天質のゼリー強度と粘度を確認したいところである。
 入札業者は10社。三重県入札は一品毎の札入なので、前の入札値が後々に発表される札値に影響を与えてしまう。全体的に相場が上がり気味であるので、最初の方に欲しいテングサがある場合、札値が難しくなる。今回は各テングサの札値を確認しながら入札し、大凡弊社が希望するテングサを購入することができた。

(報告/常務 森田尚宏)

ガランとした倉庫

テングサを見付ける

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07 2011/07/21 東京都第2回入札会

 四国、紀伊半島をかすめ日本列島を縦断するかと思われた台風6号はいつの間にか太平洋上に移動。直撃をまぬがれた東京で無事予定通り東京都第2回入札会がひらかれた。本来6月16日にひらかれる入札会が延期になっての今回の入札会である。今回出品数量は467本約14トン。倉庫に積まれた天草もやや少なくみえる。
 都漁連の人の話によれば今年は梅雨入りも早く(5月27日ごろ;平年より12日早い)採取時期が短く、また生育状態もあまり良くなく収穫量も少なくなる可能性があるとのこと。次回8月に予定されている第3回入札会は9月または10月にずれ込みそうだとのこと。加えて台風6号は伊豆諸島の沖を通過中らしく海は大荒れ、海の中はどうなってしまうのかわからない状態らしい。なんだか不安材料ばかりの入札会になってしまった。
 東京都の入札の特徴は欲しい本数だけ切り札が出来ること。今回出品本数の多い「波浮港天赤アラメ」系に対し切り札をどう使うかがポイント。平均落札価格を調整することができる。入札商社は10社。1時半の札締め、即結果発表。去年の第2回ほどではないがどの品も前回を上回る値が続出。各商社もそれぞれ切り札をうまく活用し思い思いの入札となり、弊社も全体量の3分の1強を落札した。
 明日は神奈川県城ヶ島、来週は昨日ひらかれるはずだった静岡県の入札会がある。その後お盆前までに長崎、和歌山とまだまだ入札会は続く。正念場である。

(報告/専務 森田智治)

東京都漁連水産物流通センター
ここに島からの天草が運ばれる。

流通センター内の天草
伊豆大島波浮港天赤荒1等の品。

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08 2011/07/22 神奈川県城ヶ島漁協第1回入札会

 例年では7月初頭に開催されるが、今年は半月程遅れて開催された。入札量は1,104kgと例年と同等であったが(1,092kg)、これは少量といえる。通常、採取は6月からであるが、今年は天候が悪く、収穫時期が短かったことが影響を与えているのではとのこと。
 城ヶ島にはいつも通り昼前に入った。この日は快晴であったが、気温は30℃にいかず、風も吹いていて涼しかった。海の方へまわってみると、紺碧の磯の波間に天草やカジメが生えていた。透明度の高い海であったが、波が全体的に強かった。外洋に面していることと、磯が入り組んでいる為であろう。このような環境が城ヶ島の天草のような太く大きい天草を作り出しているのであろう。
 実際に天草を確認するとやはりアラメ系が多く、70%〜80%含有していると感じた。例年よりもアラメ系が多いのではと感じた。また、この時期になるとカキやアオが多く付着し始めるが、カキもアオも付き具合も少なかった。
 入札は14時より開始された。入札業者は4社、これまでの相場は上がり傾向であったが、今回の城ヶ島でもその傾向が見られた。

(報告/常務 森田尚宏)

白波が立つ、城ヶ島の海

入り組んだ、城ヶ島の海

天草を見付ける

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09 2011/07/27 静岡県第2回入札会

 1週間前の台風6号の影響を受け延期になった静岡県第2回入札会が本日7月27日ひらかれた。先週は大荒れであったであろう下田港も今日は波も穏やか。写真のように入札会場の下田市伊豆漁協から黒船観光船が緩やかに海上を走っているのが見える。
 今回出品本数は642本約16トン。その内西伊豆土肥漁協小下田から440本の出品。八木沢、仁科浜の組合同様生産量が多い組合である。また八木沢と同じように晒草の種類が多く、仁科浜のように赤草も多種の出品もあって小下田の天草は実にバリエーションに富んでいる。
 先週までの東京都の入札結果をみても相場は高めに推移しているのはわかるのだがそれがどの程度なのかがそれぞれ商社間の思惑も加わりよくわからないところがある。特に静岡県の入札会は年に6回予定されていてどの時期にどれを落札すべきかが商社の思案のしどころとなる。
 今回の入札商社はFAX入札を含め8社。落札価格と落札商社のみの発表のため2番札がいくらなのかはわからないものの、すべて前回より高値で落札された。相場は需要と供給のバランスで自然に作りあげられるものかと思っていたが、意外と人が意図的につくりあげていくものかもしれない。難しいものです。
 朝早くから今が盛りとふりそそぐ蝉時雨、蒸し暑い一日ではなかったが夏本番であることを教えてくれる。日本の夏です。

(報告/専務 森田智治)

下田港めぐり黒船観光船
サスケハナ号

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10 2011/08/03 長崎県入札

 長崎県の入札が行われた。
 昨年8,752kgに対し今年は5,988kgで32%減の出品量である。主な産地は五島列島の福江島、三井楽産が主で、他に対馬産が約1,600kg出ている。
 昨年、三井楽産が5,850kgのところ今年は3,756kgと64%の水揚げとなり、この減少がおおきく響いている。早めの梅雨入りと降雨量の多さが影響、採取したあとの乾燥作業が進まないことを心配して採らなかったと漁連担当者の説明であった。
 天候天気条件が大きく生産量に影響する。今年は梅雨明けが早かったのであるが、その後、台風6号が7月19日に本土に接近した以後比較的温度が上がらず、不順な天候が続いている。
 昨年の生産量が少なく今年への繰り越し在庫が少ないところに販売面では6月以降心太需要が伸び、浜値が1ヶ月前から上がり始めて、ここに至っている。
 昨年5社のところ今回は出席商社が8社と多く、少ない荷物に多くの買い付け商社とくれば高値札が入る要件は揃っている。
 午後1時、札締めして、即開札。結果は昨年比、高値で141%高、平均130%高で終わった。
 応札商社8社の内4社が落札して多い少ないはあるにせよ、それぞれに荷が渡った。このことからも相場はしっかりしたものであることが確認される。
 次は8月10日和歌山県の入札である。

(報告/社長 森田庄次)

入札場に並べた天草見本

いつもはイリコ(カタクチの煮干し)の入札が行われる会場で、そのためのローラーが並んでいる。

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11 2011/08/10 和歌山県第1回入札会

 本年度も昨年度と同様、8月上旬に和歌山県第一回入札会が大阪府南森町の大阪海苔協同組合で開催された。出品量は20トンと昨年の6トンよりは増産である。増産の理由として、一昨年の秋に座礁したタンカーの影響がなくなり、採取可能となったことが挙げられる。ただ、ここ数年からみると平年並みといえる(一昨年15トン)。
 大阪府海苔協同組合に到着すると、そのまま見本を確認した。和歌山県入札会では通称サル草と呼ばれ、寒天製造時の水込に使用される海藻が出品される。この海藻を使用して寒天を製造すると、寒天に硬さがでる為、寒天製造メーカーはこういった海藻も希望する。ただし、この海藻は夏草やマクサといった名称で出品されている為、注意が必要である。また、サル草が採取される地域は例年決まっているが、いつもその地域で採取されているとは限らず、また100%サル草であるとも限らない。こういった点を良く考慮して、各々確認していく必要がある。その結果、いつもサル草が含有している地域から出品されている商品は、やはり今回もサル草の含有率が高かった。一方で昨年、偶々サル草の含有率が高かった地域の商品については、今回はサル草の含有率が低かった。
 もちろん、サル草以外にもマクサも出品される。地域に差はあるが、和歌山県の天草は枝葉が良く生い茂り、細かいものが多い。このような天草を使用すれば製造される寒天やトコロテンに粘りがでる為、個人的には使い勝手がよいのではと考えている。この視点でマクサを確認すると、ある地域の天草は等級の差程、天草の様相が異なっていなかった。これは採取業者が異なっており、その人の分別方法に依っている為であろう。
 本日の札締は14:30、入札業者は6社であった。今年度の傾向通り、やはり落札値も昨年より高めであった。この傾向はこれから続く静岡県入札、三重県入札、今年度第一回となる高知県入札会でも見られそうである。

(報告/常務 森田尚宏)

都心にある大阪海苔共同組合

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12 2011/08/17 静岡県第3回入札会

 お盆明けの8月17日静岡県第3回入札会がひらかれた。この時期夏休みの人達が電車や車で観光地、伊豆半島へ多くやってくる。伊豆急電車はその人たちでいつもより混み合い、下田の駅では愛嬌のある「竜馬くん地蔵」がお出迎えしてくれる。
 駅へ降りればまるで今の天草相場を表すかのように温度はぐんぐん上がり、汗をかきかき伊豆漁協へ。今回は615本15トン強の出品。去年の同時期の630本とほぼ同数量である。その内、西伊豆の仁科浜からは全体の8割弱の479本。第1回に続き大量の出品である。
 入札商社はファックス入札2社を含め9社。今年は常に右肩あがりの相場が続いていて今日はどこまであがるか覚悟の入札。蓋をあけてみれば東伊豆の値は前回と同じくらい(それでも充分高いのだが)。 西伊豆の値は前回値の三割高前後の高値で次々と落札。ここ数年、なかった高値がついた。このあと三重県、9月になれば徳島、高知、愛媛とまだまだ入札会は続く。今回の高値がどこまで影響するのか神のみぞ知るといったところか。

(報告/専務 森田智治)

伊豆急下田駅の竜馬くん地蔵

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13 2011/09/02 徳島県第2回入札会

 台風12号の進路が当初予想された関東地方から徐々に西にそれて四国に接近。わざわざ入札会のあるこの日に合わせて接近してこなくてもいいのにと思いながらも自然現象だから仕方がない。四国に上陸の可能性が高まる中での第2回徳島県入札会である。交通網が乱れる前に無事終わらせねばと配慮のなか、いつもより早く10時半の札締めとなった。
 今回は14トン強の出品。去年の第2回の14トン弱に比べて若干多めである。いつもは第1回入札会のあとに採取のいわゆる「夏草」が多くなるのだが今回は比較的きれいな天草が多く出品されているように見受けられた。漁連の人の話によればどうやら7月に四国に接近上陸した台風6号が「磯の掃除」をして海藻を根こそぎさらっていってしまったらしくそれ以降はほとんど採取できてないらしい。今回出品の天草はそれ以前に採取されたものがほとんどで、どおりで第1回と比べても遜色なくみえるわけである。
 入札商社は5社。この夏の気温と同じくぐんぐん上がりっぱなしだった相場も9月の声とともにようやく落ち着きを取り戻しつつあるとの話が商社間でちらほら。前回第1回よりは高値がついたが今まで程の右肩上がりではなくなってきた。来週は高知県第1回、愛媛県第2回と連続して入札会が予定されている。
 台風上陸前の昼前に入札会は無事終了。徳島県漁連の皆様、ありがとうございました。被害のでないことを祈ります。

(報告/専務 森田智治)

徳島県漁連倉庫内のてんぐさ

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14 2011/09/08 高知県第1回入札会

 例年通り、高知県第一回入札会が9月初旬に開催された。入札量は32トンと昨年よりも増産である(昨年19トン)。和歌山同様、一昨年秋に起こったタンカー座礁事故の影響がなくなり、採取可能になったことが大きいと思われる。また、今年は落札値が上がり気味ということも採取業者に影響を与えたのであろう。放射性物質については、他の西日本の地域と同様、あまり懸念する風評はないとのことである。今年は台風直後の為か、カラリとしていて、天草を確認していてもかなり気持ち良かった。
 高知の天草は大きく分けて、東側の紀伊水道側(室戸岬付近)と西側の豊後水道側(足摺岬の付近)でかなり様相が異なってくる。紀伊水道側では毛足が長い草が多い傾向がある。ただ、徳島の海岸と続いているにもかかわらず、徳島ほど細かい感はないのは、興味深いことである。徳島の海岸線が複雑なのに対し、高知海岸は長く延びた感じ出る為であろうか。室戸岬から北に上がるにつれて毛足が細くなる傾向があるのも参考になる。一方で豊後水道側の天草はどちらかというとサル系のように短く細かい天草が多かった。
 取り草と拾い草の違いであるが、拾い草の方が取り草よりも細く、短くなる傾向が見られた。この為、やはり取り草の方が価値はあると感じた。
 サル草(*1)についてはカキ(*2)がかなり付着している浜もあれば、カキの付着が少ない浜もあり、品質に差があった。またマクサが含有している草もあれば、サル混合という名目ながら5%程度しかサルが含有していない商品もあり、良く確認する必要があった。
 入札は2回に分けられて実施された。今回は三津が2回目に実施され、出品量が6トンや9トンといった数量の多い商品が100本以上での切りで実施された。入札業者は5社、FAX入札は認められていない。落札値は、ここに来て漸く落ち着き始めたといった感があったが、やはり欲しい天草がある業者はそれなりの値段をつけて落札させていった。

*1 サル草:テングサ科オバクサ属の海藻。テングサ属の海藻と同様、寒天の製造に使用し、硬さと粘りをだす。通常カキが付着していることが多い。

*2 カキ:サンゴモ類が活動することにより起きる現象(サンゴモ類が細胞壁および細胞間隙に炭酸カルシウムを沈着することにより、石灰化した体を作っていく現象)。サンゴモ類は紅藻綱サンゴモ目に属する海藻の総称。カキが付着していることは炭酸カルシウムが沈着していることである為、アルカリ性に傾き易く、煮熟しにくくなる。この為、カキの付着が少ない方が良い。

(報告/常務 森田尚宏)

《紀伊水道側の天草》
毛足が長い傾向がある



《豊後水道側の天草》
細かく、サル草に似ている



《サル草》
細かい傾向がある

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15 2011/09/09 愛媛県第2回入札会

 昨年と同様、高知県入札に続いて2回目の愛媛県入札会が愛媛県松山市で開催された。入札量は14トン、昨年と比較して増産である(昨年増産8.1トン)。高知県と同様、落札価格が上がり気味であることが影響しているのであろう。ただ、例年よりはかなり減産である。
 今回は松山市で学会が開催された為、飛行機の予約が中々取れなく、やむなく早めの便しか取れない業者もいた。この為、札締めも早まり、11:00ということになった。この為、朝一番で入札会場に入り、確認することにした。
 確認してみると、やはり1回目の商品よりは、カキやフケが多く付着していた。これは夏に向かい、水温が暖かくなり始め、様々な生物が活動をし始めた為と思われる。ただ、その中でもじっくりと確認していくと赤草の状態で販売も可能と考えられる綺麗な天草もあった。カキやフケがあまり付着しておらず、綺麗な赤色をした天草である。こういった物をよく確認して購入してきたいところである。
 ある産地の晒天草は、昨年出品されたものと異なり、毛足が長く、綺麗に晒されていた。こういった商品は小売りに向く。昨年は毛足が短くポロポロとしていたが、今年は小売向けとしては上質である。一方で、ある産地の晒天草はかなり綺麗で魅力的な商品であったが、毛足が短い天草であった。今年初めて出品されたものもあったが、これは割合綺麗な状態のもので上質であった。
 落札業者は5社、FAX入札はなかった。ここのところ落札値は落ち着き始めている。今回もその傾向があるかと思われたが、思ったほどは値が下がらなかった。全漁連主催の天草入札会はこの愛媛県入札で終了した。

(報告/常務 森田尚宏)

天草を見付ける

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16 2011/09/14 静岡県第4回入札会

 まだまだ暑さが残る9月半ば、静岡県第4回入札会である。先週の高知県、愛媛県、今週の静岡県と入札会の続く1週間であったが今日の入札会でしばらくお休み。次回は10月の静岡県入札まで待つことになる。
 今回の出品は下田市からは須崎、西伊豆町からは仁科と安良里で計367本9152kg。去年の同時期だけを比べれば半分強、ちょっと少なめである。ただし第1回から通算すれば去年の1割弱、51トンとまずまずの生産量である。
 入札商社はファックス入札4社を含め9社。実は弊社も今回はファックスで入札。静岡県漁連のT氏に会場に並んだ見本の見付をしてもらうことにした。カキの付着度合い、青の混入度、毛足の長さ、切れ具合、晒しの色合いなど様々な問いかけにも的確に返答していただいた。大変参考になりました。感謝です。
 常に高値をつけた相場であったが先週辺りから落ち着きをとりもどしつつある感がある。今回は前回より安くなったものもあれば高くなったものもあり様々。秋の訪れと共にもう少し下がる予感がするのだが。
 夜空にはまん丸お月様。先日は中秋の名月。朝晩は秋を思わせるそんな日であった。

(報告/専務 森田智治)

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17 2011/10/19 静岡県第5回入札会

 久しぶりの入札会。前回の第4回入札会はファックスで入札したため伊豆下田に出かけるのは実に二ヶ月ぶりになる。下田の駅前にはおなじみの龍馬君御地蔵とサスケハナ号がお出迎え。8月の下田は夏真っ盛りだったのが10月の今では爽やかに秋風が吹きぬけている。
 9月になって相場も落ち着きを取り戻すようになり、会場で顔を会わせる商社の会話ではどれだけ下がるのかが話題になってきている。
 今回の出品は1219本30トン強。その内、土肥の八木沢からは1092本の出品。今回全体量の9割を占め、八木沢の品種銘柄は39にも及んだ。出品のなかには比較的赤の残るトラ晒が多いのもあり、またドラが混じったものもありで自然見付にも時間がかかる。加えて入札会も終盤に入ってきているため「青」、「カキ付き」のものもでてくる。
 入札前に漁連から価格は発表されないものの最低価格の指値が3銘柄あることが発表された。入札商社はファックス入札2社を含め10社。
 1時間ほど掛けて1品ずつ落札発表。札無しまたは指値を下回るものもでるかと思ったがすべて無事落札。落札価格は確かに下がってきたが欲しい品種にはしっかりした値がつき、そうでないものには下げの値をつけるなど商社間の思惑が顕著にでた結果となったように見受けられた。
 明日は東京都の最終回となる第3回入札会である。

(報告/専務 森田智治)

龍馬君御地蔵とサスケハナ号

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18 2011/10/20 東京都第3回入札会

 昨日の静岡県の入札会に引き続いて東京都の最終入札会が行われた。今年の東京都の入札会は例年、6月に第1回があるところが今年は5月に開催され、作柄良好を予想させていた。ところがいつもの6月が集荷量が少なく中止となり、7月に第2回が開かれた。その後早めの台風接近などがあり8月は中止、9月も中止ときて10月に昨年同様の第3回の開催となった。結果、数量では今年は50トン(漁連S部長談)となり、昨年の56.5トンを下回る結果となった。
 秋の出品ものといえばいつもはカキなどが付着して赤草などは1等品としては不適格なところが今年はそのカキの付着も少なく良品が多く見られた。また、例年のごとく大島以外の新島、式根島、三宅島から晒品が多く出されて(写真参照)いる。しかし、ここ3年間ほどは年間生産量50トンほどと三宅島の噴火(2000年・平成12年)以前の150トンを楽に越える量からは程遠い結果なっている。三宅島では徐々にではあるが復活しているというものの、大島地区でも生産量が減少している。
 応札業者は11社、入札は午後1時30分から始まり、午後3時前に終了。落札価格は東京都に関しては昨年同様高止まりで終わった。これで、11月に伊豆の最終回があるがほぼ主要産地分は終了とみて良い。東京都以外の他地域では昨年の高値を更に上回る値がついていることを付け加えておく。
 しかし、天草に関していえば、3月の東日本大震災とそれにともなう原発の放射能汚染などの風評もなく大過なくいままでこれたことは幸いといえる。
 入札会終了後に天草業者、浜の生産者、漁連の担当者との懇親の場が設けられ、要望、意見など交わされた。

(報告/社長 森田庄次)

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19 2011/11/16 静岡県第6回入札会

 熱海より伊豆急下田に向かう。11月中旬にもなるのに、暖かく穏やかな陽気だ。数年前、東京に住んでいた時はよく通った道だ。伊東を過ぎると、海や山の色が濃くなりはじめ、今日は遠くに伊豆大島や新島も見えた。
 しばらくすると見覚えのある綺麗な港町が現れてくる。稲取漁港だ。伊豆はよく来るので忘れてしまいがちだが、綺麗な港町が多い。こういった環境が良質のテングサを生育させるのであろう。今年は原発の問題があるが、この穏やかな感じを見ていると、縁遠い話のように思えてくる(実際、天草を検査してみても、放射性物質の問題はない)。
 入札会場の下田漁協には11時過ぎに到着した。今回は全て小下田からの出品である。商品には赤草と晒草があり、更に晒草には、晒草、トラ晒草、赤トラ晒草、青トラ晒草に分類されている。晒しの分類は採取業者で異なり、「トラ晒草と表記されてはいるが、晒草に近いもの」もあったし、「赤トラ晒草と表記されていてもトラ晒草に近いもの」もあった。
 採り草と寄り草でも分けられるが、出品された採り草の中には毛足が短く寄り草と思える草もあった(実際、寄り草の表記間違いのようであった)。寄り草はうち上がった天草である為、毛足が短く細い傾向がある為、確認しやすい。
 カキの付着量は全体的に少なく、総じてどれも良質で等級以上に感じられた。
 入札は13:30より開催された。入札業者は8社で内、Fax入札は2社であった。今年は入札値が上がっているが、そろそろ落ち着くと思われ、比較的安値で購入できるのではと期待していた。しかし、札をあけてみると、結局高値であり、なかなか上手くいかないものだと思わされた。
 今回の第6回入札会をもって年内の伊豆入札は終了し(後は春先の出品となる)、全国の入札会も終了した。第1回から第6回までの伊豆入札会の入札量を纏めてみると、今年は88,251kg(※1)であり、昨年127,233kg(※2)から大幅に減った。出品量が減ったことにより、業者の集中が集中し、今年の価格の高騰の一因と考えられた(原発による昨年度産天草への需要の集中もある程度あると思われる)。
 来年からは県漁連が主催するのではなく、伊豆漁協が主催することになった。他県もそうだが、再編が行われているようだ。

※1 6/15:11,100kg、7/27:15,996kg、8/17:15,335kg、9/14:9,152kg、10/19:30,343kg、11/16:6,325kg、(4/14入札会はH22年度扱:19,000kg)

※2 6/16:20,200kg、7/14:4,387kg、8/18:15,750kg、9/15:16,789kg、10/20:55,350kg、11/17:14,757kg、(3/29入札会はH21年度扱:24,825kg)

(報告/常務 森田尚宏)

入札会場(下田市漁協)からの眺め

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20 2011/11/23 平成23年度(平成23.4〜平成23.12)てんぐさ概況

 全国のてんぐさ入札(生産)量

平成23年は入札数量、*の高知、長崎は一部入札外数量を含む。**は推定値。
平成22以前は生産数量(入札数量+入札外数量)です。

産地\年 平成23年 平成22年 平成21年 平成20年 平成19年 平成18年 平成17年
東京都 48 57 59 73 105 127 115
静岡県 107 155 219 238 286 222 180
三重県 11 18 11 26 111 100 66
和歌山県 21 13 15 25 58 47 42
徳島県 37 34 21 41 55 93 97
愛媛県 80 69 70 88 122 237 189
高知県 * 38 20 39 25 18 16 8
長崎県 * 19 15 16 13 9 24 24
上記産地計 361 381 450 529 764 866 721
全国生産量 ** 470 442 558 673 924 1002 843

(単位:トン)株式会社 森田商店 調べ 2011(h23)/11/23

 今年のてんぐさ入札会は平成23年11月16日、静岡県第6回入札会をもってすべて終了した。
 静岡県第6回は西伊豆の小下田産だけの出品、約6トンのみであった。これで今年の全国生産量は推定470トンで不作の昨年442トンを僅か上回ったにすぎず、3年連続して500トン前後となった。平成17年の寒天ブームの翌年、平成18年1002トンは特別として、それ以前は例年おおよそ700トンほどの生産量であったので500トン程度は明らかに少ない。
 春先の天候、海水温度等によりてんぐさの生育の良否が決まってくるが、採取時の4月から7月ごろの天候も生産量に大きく作用する。
 今年の場合は全国的に早めの梅雨入り(5月21日〜22日)で、梅雨明けは例年7月21日頃が今年は7月8、9日(沖縄、奄美以外)であった。早めの梅雨入りと多めの降雨量が採取後の乾燥作業に災いした。また、梅雨明け後7月19日には台風6号が本土に接近して不順な天気が続いたのも減産要因となった。
 3月11日の東日本大震災ではてんぐさの産地は離れていたので津波被害もなく、又、福島原発の事故による放射能の海洋汚染にも関わらずそれについては安心であった。
 減産要因のあと一つは採取業者数の減少である。
「鳥羽市の海の博物館が2010年に調査したところ50年ほど前には全国約15,000人いた海女は2,174人と激減している。三重県が973人、石川県197人、千葉県158人、静岡県153人の順となっている。」(中日新聞h23年7月22日朝刊より)。
 第一産業就業者数の減少は海女さんのみならず他でも見られることであり、今後もこの傾向は続くとみられる。
 一方、価格面では連続しての減産により流通在庫不足から今年の当初から高値スタートとなり、7月後半から8月にかけての入札会最盛期には対前年比135%から150%までになった。終盤にかけて加熱相場は冷めたとはいうものの最後の静岡県第6回でも120%〜140%であった。
 一方、輸入天草では韓国が昨年以上の入荷で今年の9月末時点で655トン(昨年一年間は722トン)、モロッコが690トン(同じく昨年一年間728トン)となっている。総輸入量は今年9月までで1650トン、昨年は一年間で1913トンであった。
 国内生産量が500トン前後のことを考えると輸入量がいかに多いかがわかる。なお、輸入価格は為替が円高傾向であるものの、それでもなお前年比10%?20%高である。価格上昇は輸出国事情(モロッコの輸出制限)に起因しているが、韓国の価格などはたぶんに日本の天草価格が影響しているのでないか思われる。
 なお、全国数量確定値は平成24年3月末に報告できる。

(報告/社長 森田庄次)

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