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てんぐさ入札会報告 平成14年(2002)
00 2002/05/16 昨年度(H13)の報告
01 2002/06/12 徳島県第1回入札会
02 2002/06/20 東京都第1回入札会
03 2002/06/26 静岡県第1回入札会
04 2002/06/28 和歌山県第1回入札会
05 2002/07/02 愛媛県第1回入札会
06 2002/07/05 三重県第1回入札会
07 2002/07/10 静岡県第2回入札会
08 2002/07/18 伊豆八木沢、小下田第1回入札会
09 2002/07/26 東京都第2・3回入札会 中止(台風の影響)
10 2002/07/29 和歌山県第2回、三重県第2回入札会
11 2002/07/31 静岡県第3回入札会
12 2002/08/01 神奈川県城ヶ島第1回入札会
13 2002/08/02 長崎県第1回入札会
14 2002/08/09 徳島県第2回入札会
15 2002/08/21 静岡県第4回入札会
16 2002/08/29 東京都第2回入札会
17 2002/09/18 高知県第1回入札会
18 2002/09/18 伊豆八木沢小下田第2回入札会
19 2002/09/25 静岡県第6回入札会
20 2002/10/09 静岡県第7回入札会
21 2002/10/24 東京都第3回入札会
22 2002/10/25 平成14年度 まとめ

00 2002/05/16 昨年度(H13)の報告

 全国のてんぐさ入札(生産)量

以下の表は、昨年までの年別てんぐさ入札(生産)量です。

産地\年 平成13年 平成12年 平成11年 平成10年 平成9年
東京都 78 95 178 147 173
静岡県 176 159 169 138 155
三重県 44 51 38 32 29
和歌山県 36 48 36 47 57
徳島県 146 98 47 103 99
愛媛県 128 138 156 195 174
高知県 29 32 17 23 34
長崎県 28 21 32 36 27
上記産地計 665 642 673 721 748
全国生産量 767 789 821 938 988

(単位:トン)株式会社 森田商店 調べ 2002/5/16

 平成13年度のてんぐさ生産数量を報告する。
 全国生産総数量は767トンとなり前年に比較して97.2%とほぼ同程度になった。
 一番の数量変化は東京都の平成11年の178トンから平成12年95トン、平成13年78トンと約100トンほどの減である。三宅島の漁再開は平成14年も見通しが今のところ立っていない。
 平成14年の作柄状況は天候の早いまわりの影響で今のところ不作状況が徳島県、愛知県、富山県などから入っている。
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01 2002/06/12 徳島県第1回入札会

 今年もてんぐさの入札会が徳島県を最初に始まった。
 5月上旬ごろでは作柄予想がやや悪く入札開催日を例年より2週間ほど遅らせた。が、この2週間ばかりの好天で採取、集荷がおもったより進み当初予定の38トンから56トンほどになった。昨年は豊作年で2週間早く行われたが86トンほどあった。
 出席応札者は昨年の9社、今年の8社とおおむねいつものメンバーであった。価格は数量が予想より増えた影響がありやや低調な結果になった。
 写真は徳島県では最大の産地の牟岐出羽島のてんぐさが並んだところである。乾燥は良く15kg入りの袋はポンポンに張っている。
 昨今なにかと話題になっている保存料などいっさい使っていなく、こういう乾燥良好品であれば湿気と直射日光がなければ3年以上もたっても良質てんぐさでいける。
 主要な産地である牟岐地区の生産者も10名ほど来て、この入札会の結果を待っていた。
 入札会後に生産者の人たちと懇談したが、てんぐさは採取者と浜での乾燥させる人とふたりがかりであり、他の磯ものの貝類などと違って手間が2倍かかること、不作年では採取量がふえないこと、天候が悪いと浜での乾燥作業がすすまないため漁は中止せざるをえないこと、海外品の輸入攻勢に立ち向かうにはどうしたらいいのか?とさまざまな問題が提示された。
 これは徳島県だけの問題ではなく全国の浜の生産者の悩みである。

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02 2002/06/20 東京都第1回入札会

 今年の第1回東京都での入札会がひらかれた。
 入札会に先立ち東京都漁連の中村専務さんより概況説明があった。「今年はかつおの北上が遅れていて、水揚げ量が大幅に減少している。そこで島の生産者はてんぐさ漁に期待している。試験所での観察によるとてんぐさの生育株数は多いので天候次第で数量は期待ができる。一方、三宅島では有毒ガスが減ってはきているがいまなお人が住める状態でなく復活するには長期化する模様である。」という説明であった。
 出品数量は昨年の16トンに比して15トンとやや減少した。また、例年三宅島から出品される黄晒品を大島の元町漁協が30本900kg生産したのが目をひいた。(左の写真)
 価格は大島の黄晒品としては予想外の価格が付き、三宅島産とほぼ同等の評価をうけた。他の品もそれにひきつられた格好でしっかりしていた。
 入札会終了後、各漁協組合の役員さんとてんぐさ問屋と懇談会がひらかれたが、大島の黄晒品に代表されるように需要にあったものを提供すればそれなりの評価がうけれることが確認できた、と喜んでいた。これはどこの流通段階でもいえることである。
 自然食品であるところてん、寒天の原料としててんぐさを大事に扱っていきたいものである。

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03 2002/06/26 静岡県第1回入札会

 先週の東京都に東京都に続いて静岡県の第1回てんぐさ入札会が下田市の静岡県漁連賀茂出張所でおこなわれた。初回ということで地元の稲取ケーブルTVもカメラを持ち込み取材があった。
 また、入札会に先立ち、地元漁協の組合長から組織されている天草協議会会長の鈴木氏(仁科浜組合長)の挨拶、静岡県漁連の内田業務部長の挨拶と続いた。今年は昨年よりやや増加傾向にあるという話であったが、生産者の減少と高齢化ますます進んでいる。
 写真の稲取漁協では稲取地区で船は1艘、大川地区で1艘の計2艘で操業している。いずれも採取者である海女さんは66歳、67歳ということである。
 その経営内容を聞くと水揚げ金額の半分は採取業者でその半分つまり25%が船主、25%が海女さん、そして50%が漁協会の乾燥、選別、梱包費用としてあてられる。特に、伊豆地区では他地区ではおこなっていない選別作業(写真)をおこなっていて最上級のテングサとして流通している。

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04  2002/06/28 和歌山県第1回入札会

 和歌山県の第1回入札会が大阪市北区の海苔会館でひらかれた。
 最近はここの応札商社の出席者が少なくなってきて、今年は6社であった。昨年の12トンに対し、今年は上野漁協の5トンが加わっての13トン、上野漁協分を差し引けば実質8トンとなりかなりの減産になっている。
 相場は昨年比ほぼ同じで、どちらかというと価格の安いものについて少しづつ落札価格がきり上がってきている。
 和歌山県での特徴はオニ草(左の写真)という種類のものが出品される。この草は他の県ではあまり採取されない。

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05 2002/07/02 愛媛県第1回入札会

 愛媛県での第1回入札会が松山市、三津の漁連共販所でおこなわれた。
 今年の出品数量は当初見込みより増え120トンになった。昨年は112トンである。応札商社は15社とこれも昨年より2社増えた。
 近年、この愛媛県の共販入札会が一回の数量、出席商社数とも最大規模になってきた。入札方法は例年どおりで見本が各組合から1本又は2〜3本出ている。それを丹念に袋の奥の方までひっぱりだしてチェックしていく。写真にはそのひっぱり出されたところが写っている。
 価格は前回入札の和歌山県分が下げとまり、一部強くなったのを引き継ぎ、昨年より6から7%ほど高くなった。
 愛媛県は南の宇和島沖の宇和海の日振島産、九州の大分に向かって飛び出ている佐田岬半島の三崎産が著名であり、数量も多い。

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06 2002/07/05 三重県第1回入札会

 三重県第1回入札会が三重県は松阪市の三重漁連のり流通センターでおこなわれた。
 出品数量は昨年並みにちかい35トン予想が21トンと極端に少なかった。写真でみるように例年より倉庫の空きがめだつ。
 また、今年は漁協の広域合併が進み、三重県では「志摩の国・・・」が結成された。包括されているのは志摩郡阿児町、浜島町、志摩町、大王町の漁協が含まれている。
 昨年も紹介したようにここでは1品目ごと落札者と落札価格が発表され入札は進んでいく。出席商社は少なく、6社であったが価格は数量が少ないこともあり高値で推移した。結果まとまった上品ものでは昨年比13%高の価格がついたものも出た。
 また、入札に先立ち、一部組合の品が乾燥不十分で、扱い商社から漁連に改善するよう強く申し込みがされた。

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07 2002/07/10 静岡県第2回入札会

 静岡県下田市で第2回入札会がおこなわれた。
 折からの台風6号の接近により交通機関がストップして、入札会はFAX入札で参加する。今回は10社の内、地元以外の5社はFAXでの入札となった。
 前回のときに浜廻りをして今回の品物を見てあることや、そのときに見本を一部手にいれてあるので現場へ出向かなくても一応の入札は可能である。
 出品数量は昨年の9トンに対し今年は10トン、相場はほぼ横ばい状態で推移した。一部高いものもあり、やや安く落札した品もありおおむね落ち着いた展開であった。いままでの高値展開が一段落したもようである。
 しかし台風が7日に5号が九州へ接近通過したあとで今回の6号は日本列島に沿って北上していった。てんぐさの採取に心配な状況である。
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08 2002/07/18 伊豆八木沢、小下田第1回入札会

 静岡県はここだけ単協組合、土肥漁協組合単独で行う。
 八木沢、小下田地区ともに浜さらしのてんぐさが多く出品され、ところてんの需要家に根強い人気の浜である。ここのてんぐさの特徴はねばりがあり且つ透明感のあるところてんをつくるには最適である。
 数量は昨年17トン、今年20トンとやや多めであったが、さらし人気がともなって昨年より5%弱高い値段がついた。
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09 2002/07/26 東京都第2・3回入札会中止
(台風の影響)

 東京都のてんぐさ入札会が集荷量が極端に少なく第2回、第3回と中止なった。
 左の図は平成14年7月26日午前7時の天気図(TBSお天気ガイドより)である。
 既に日本に接近した台風は7月7日の5号、岐阜県西濃地区に大きな水害をもたらした10日の6号、さらに15日に関東地方上陸の7号。それに九州をかすめる9号があり、続いて11号がそのあとを追っている。梅雨は明けたとはいえ、この天気図の11号の位置に台風がつけると海が荒れてんぐさ採取の船は出船しない。
 おおむね、夏の天気図は太平洋側を大きくとってあるがその大きくとった太平洋の範囲に台風がみえればうねりが海岸によってくる。伊豆半島の東海岸の白田近辺ではその傾向がよくわかる。
 各地ともここ1ヶ月は採取が進まず、減産になる模様である。
 今朝の下田出張所のS所長さんからの連絡では「西伊豆地区では荒天のためてんぐさが切れて寄り草がふえていること、また東伊豆稲取地区では海底の岩が波で洗われころがっていててんぐさの着床ができていない状況である」との話であった。

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10 2002/07/29 和歌山県第2回、三重県第2回入札会

 和歌山県と三重県の第2回てんぐさ入札会が大阪の海苔問屋組合でおこなわれた。
 ここ何年か三重県の2回目の数量が少ない為、和歌山の入札時に引き続いておこなわれる。和歌山県産は2回目13トン今年の合計は27トンになった。ちなみに昨年は34トン一昨年は46トンであった。
 前回書いたように今年は7月台風が災いして数量減心配されていたが現実のこととなっていく。三重県分も今回5トン年間合計26トンで昨年の43トン一昨年の46トンと比較して40%減である。価格は数量減を反映していずれも昨年に比べ高く値がついた。
 この週は今日を皮切りに静岡県、神奈川県、長崎県と続くことになる。
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11 2002/07/31 静岡県第3回入札会

 静岡県の第3回入札会が下田でおこなわれた。
 夏休みの最中ということで例年FAX入札で対応しているが今回は次の日が神奈川県は城ヶ島漁協と連続するので出席参加した。
 ここで入札の参加方法についてのべることにする。通常参加といえば出席が原則である。ほとんどがこの方式であるが、ここ静岡県はFAX入札参加も認められている。
 交通の便のこともあるが静岡県は入札が3週間おきにおこなわれ一年間で7回開催されるのも理由にあるのかもしれない。以前10年前ほどは2週間おきのこともあり150トンから200トンほどのてんぐさが入札会にかけられた。
 ほかでは城ヶ島漁協がやはりFAX入札が認められているがほかの地域では本人参加ではじめて入札ができる。どうしても何らかの都合で出席できない場合は仲間に頼み、入札札値を預け参加することになる。この場合は頼んだ相手に手数料として代金の2%から3%支払うのが通例である。
 今回は出品量が5トンと極端にすくなく本人参加は4社、FAX参加は6社というありさまであった。数量減ではあるがこの出席状況が影響したのか価格は意外に落ち着いておわった。
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12 2002/08/01 神奈川県城ヶ島第1回入札会

 神奈川県でてんぐさの入札をするのはこの城ヶ島漁協だけである。
 同じ三浦半島の西海岸の長井町漁協もてんぐさの産があったが近年ほとんどなく平成10年を最後に入札がされていない。
 ここの入札時刻は午後2時からである。他のところでは午後1時もしくは1時30分が多いけれどこれは参加するのに三浦半島の先端という交通事情をかんがえできたことと想像される。
 ちなみに徳島県などは帰る商社が東京や長野からの参加もあり午前11時の札絞めである。飛行機の出発時刻に合わせている。
 さて、今回城ヶ島漁協の出品はあらめ草あり、この草は東京都伊豆諸島の入札会が2回も延期されていて品不足の品種で成り行き注目されるところとなった。
 数量は900kgととるにたらない量ではあるが出席者は当社のほかに2社あり合計3社と昨日の伊豆の入札にひけをとらないほどであった。
 ある商社はトラックで参加、首尾よく買えたらそのまま積んで帰ろうという雰囲気であり、札はいつになく緊張して始まった。
 結果は昨年比20%高で成立した。今回数量は1トンに満たないものの今後の天草相場におおきな影響をあたえそうである。
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13 2002/08/02 長崎県第1回入札会

 長崎県の入札会である。
 長崎県は島がおおく西海国立公園と壱岐対馬国定公園がある。おもな産地は五島列島の福江島の西海岸、三井楽町になる。ここの草は粘質性が強いのが特徴である。
 てんぐさは現品は長崎県諫早市の運輸会社倉庫にあり、長崎市の県漁連の共販所には見本として各種1本から2乃至3本程度でている。同じ場所では「いりこ」の札が開かれている。
 今年の出品はは昨年の12トンに対し、半分の6トンとありさまであった。入札参加者は当社を含め、5社であった。
 少ない荷物に買い気十分の雰囲気がただよい、勢い昨年の15%高、中には25%程度高いものも散見された。出品のすくなさは予想通り、不作のところへきて7月の台風で出漁日数の減少があいまってのことであった。この傾向はさらに次へ伝播される見込みであり、予断を許さない状況である。

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14 2002/08/09 徳島県第2回入札会

 徳島県の第2回の入札会である。これがお盆前の入札の最後である。
 いままでみてきた様にどちらの浜も数量がすくなく、ここでも昨年59トンに対し75%減の僅か15トンにとまった。合計で71トン昨年比44%となった。
 参加者も少なく5社にもかかわらず平均で15%ほど価格は上がってしまった。倉庫内がガランとしているのがよくわかる。
 正確な産地表示が流通段階で意識されはじめ国内産のてんぐさが見直されているときに産量のすくないのは残念なことである。

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15 2002/08/21 静岡県第4回入札会

 第4回の入札会が下田でおこなわれた。
 お盆休み明けの入札会で数量は21トン、西海岸の仁科浜漁協のてんぐさが主体で17トンを占めた。東浜では外浦と須崎が出たのみである。
 価格は今後も仁科浜産のものは出ると予想され、前回に順ずる価格が多くみられた。上級の岡まくさ1等品については10%ほど高く落札された。
 来週は東京都伊豆諸島の分が控えている。どんな展開になるのか興味深いところである。
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16 2002/08/29 東京都第2回入札会

 東京都の2回目の入札会がようやくおこなわれた。通常予定どおりであれば今の時期は4回目である。
 これだけ延期しても今回は約16トンで1回目と合わせて僅か31トンである。不作といわれた昨年でさえも46トンあり、三宅島が生産されていた頃の数量は100トンほど8月の終わりごろあがっている。
 生産減のおもな原因は不作のところへ来て台風の来襲がおおく、今も15号が九州の南に接近している。
 左の図は平成14年8月30日午前7時の天気図(TBSお天気ガイドより)である。上陸はしないものの接近した台風は今年はこれで5個である。
 特にあらめ系のてんぐさが少なく、赤草、晒草にかかわらず、注目された。
 入札会場にはいつものメンバーに加え、買い人のお客さんも来ている。いつもは冗談などが飛び交うのが今日は会話がすくなく、みな真剣な面持ちである。
 10時すぎごろから逐次、見付けを開始。1時30分に札〆になり、即、発表される。あらめの番になり、泉津天赤荒1等、・・・なんと前回の33%高。みな歓声があがる。
 以後、次々と開いていくにつれ30%高が続く。最後までこの調子でいき昨年の50%高の品も出た。買えた商社、買えなかった商社と明暗をわけた。
 8月1日の神奈川県の城ヶ島での入札で想像はされたもののここまでいくとは予想外であった。島の方は9月一杯まで操業するとのことで今後の生産が期待されるところである。

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17 2002/09/18 高知県第1回入札会

 例年8月下旬におこなわれていた高知県の天草入札会が延期してようやく今日おこなわれた。
 延期したのにもかかわらず数量は増えず、わずかの4.6トン、ちなみに昨年は27トンであった。80%以上の減産である。それに対して、出席の商社数は昨年どおりの6社であった。
 前日から高知入りしている商社が2社。当日朝、参加が4社で入札開始前から、雰囲気がきびしいものが漂っている。
 それにしても今年は7月の一番生産量があがるときに台風が4つ以上も接近。各地とも大幅減産になってしまっている。高知の一番の代表産地の高岡では採り草がゼロというありさまであった。
 結果は昨年比30%から40%高になった。
 写真は帰りの飛行機からの室戸岬の先端部である。先端部から左岸、太平洋側、順に高岡、三津、椎名と天草産地が続く。

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18 2002/09/18 伊豆八木沢小下田第2回入札会

 高知県と同日に伊豆半島では土肥漁協で八木沢、小下田分の入札が開かれた。
 ここは浜での晒に特徴があり、粘りがあるところてんになるため、ここの天草が是非とも要り用という根強い人気がある。
 八木沢草ではとり草がおおく今回の合計は19トンとここだけが昨年の13トンをうわまわることができた。同日ということで朝、高知のホテルから電話連絡をとり、札を入れることにした。結果はほぼ昨年価格で終了。
 これで今年の天草入札会は残すところ、伊豆が2回、東京都伊豆諸島分が最終で1回、ということになる。
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19 2002/09/25 静岡県第6回入札会

 前回第4回が8月21日おこなわれその後予定では9月4日に第5回が予定されていた。しかし、集荷量がかんばしくなく中止となり一回とばして今日の第6回がおこなわれた。
 数量は約9トン、出品の浜は東浜が中心で須崎が多く出された。ここのところ東では下田市須崎、西浜では仁科が中心となっている。価格はまずまずの線で止まった。
 上質の須崎では春草が今回の目玉で首尾よく落札できたところは幸運である。
 いまどきなぜ春に採った春草が出るその訳は倉庫の下積みになっていて、最後に最初のころ採ったものが改良され入札に出品されるのである。
 これであと伊豆と東京都伊豆諸島の最終回を残すのみである。
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20 2002/10/09 静岡県第7回入札会

 伊豆の最終回入札である。
 いつもの年であればFAX入札ですますところであるが、今回は前日に神奈川県城ヶ島漁協があるということで前日に城ヶ島へ、そして今日伊豆へと参加する。
 城ヶ島はあらめ草がとれることで数は採り草、拾い草合わせて20本と例年ならとるにたらない数量であるが今年はなにしろあらめの草が皆無といっていいほど不足している。この20本でも貴重な20本であり、前回より20%ほど高値をつけ、落札となった。明けて今日は下田での最終回である。
 最初に天草協議会の鈴木会長が挨拶する。「最近の天草値段は数年前の最高値に比べ半値近くまでさがってきていて生産意欲が減退してしまっている。通常なら大幅減産になるところが魚価のほうも同様で価格低迷していて、その点、採取がかたいてんぐさを採っている。望むべくは価格の上昇傾向を期待したい。」
 そのあとで県漁連の内田業務部長が生産報告する。「今年の伊豆の共販取り扱い量は約96トン、そのうち仁科浜が42トンと43%、次いで須崎を中心とした下田市漁協が24トン25%を占めている。」
 他の県での生産量は対前年で下がっているがここ伊豆は仁科浜が増産されたおかげで昨年の77トンに対して96トンを数えた。
 しかし今日の相場は他の産地の上昇傾向に合わせ、前回より終始高く値づいて終わった。これであと、10月24日に予定されている東京都伊豆諸島のみとなった。
 あらめ草と黄晒草が中心であるので展開が注目が予想される。
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21 2002/10/24 東京都第3回入札会

 本年、最後の天草入札会である。今まで報告を21回してきてるがこれで最終ということになる。
 東京都は伊豆諸島の内、伊豆大島がいまでは中心になってきた。八丈島と三宅島も多く採れていたが、2年前から三宅島では全島員避難で天草生産は皆無となった。
 また、八丈島では平成12年、13年と12〜13トンと以前のことを思えば少なくなってきている。今年はと20トンほどを期待していたが、逆に今日の出品を含めても14年は約3トン強とこれまた激減してしまっている。
 今回は入札会をのばしてきて成るべく多くの数量が出るようにとやってどうにか17トンになった。今年の東京都の量は49トンで昨年の66トンより減っている。
 特にあらめ草が無く、他の産地、千葉県房総半島でも昨年の1割から2割程度しか生産されていない。
 いきおい、最後のこともあり、出席商社は通常11社が8社と少ないものの高値推移でおわった。特に大島あらめ赤草は昨年比65%高になった。また、あらめ晒も高く取引された。
 納会にあたり、漁連の職員と商社で懇談会が開かれたが、お互い国内天草の生産量維持に向け、良品質のものを適正な価格で取引できるよう意見が交換された。
 しばらくすれば今年の生産量の入札のみの数量報告を出す予定である。

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22 2002/10/25 平成14年度 まとめ

 全国のてんぐさ入札(生産)量

以下の表は、昨年までの年別てんぐさ入札(生産)量です。

産地\年 平成14年 平成13年 平成12年 平成11年 平成10年
東京都 64 78 95 178 147
静岡県 135 176 159 169 138
三重県 26 44 51 38 32
和歌山県 26 36 48 36 47
徳島県 71 146 98 47 103
愛媛県 131 128 138 156 195
高知県 5 29 32 17 23
長崎県 6 28 21 32 36
上記産地計 464 665 642 673 721
全国生産量 集計中 767 789 821 938

(単位:トン)株式会社 森田商店 調べ 2002/10/25

 平成14年のてんぐさ入札会も県単位では10月24日の東京都の入札会で終了した。
 三宅島は昨年に続いて今年も生産量は0で終了した。東京都の数量が3〜4年前の平成11年、10年と比較して極端に減少して約40%程度である。
 入札での全国生産量(仮計)は昨年の560トンのところが今年は17%減の464トンであった。これはもともと不作のところに採取が多くされる7月に台風が4ヶも本土に接近して、採取条件が良くなかった事に原因がある。
 また、今年の特徴としてあらめ草の主産地の伊豆大島、千葉房総半島の生産が非常に少なく昨年比約50%ほどかと推測される。
 徳島県も豊作の昨年の50%ほどになり例年の生産量に戻った。
 また、総量ではすくないものの高知県、長崎県の減産率の大きいのには注目される。一方、静岡県、愛媛県では例年並であった。静岡県伊豆半島産については仁科浜漁協で今後、平成14年分の集荷が予定されている。
 入札以外の分も含んだ最終集計は来春、報告できる予定である。
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