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てんぐさ入札会報告 平成13年(2001)
00 2001/05/15 昨年度(H12)の報告
01 2001/05/25 徳島県第1回入札会
02 2001/06/17 今年のてんぐさ予想
03 2001/06/26 東京都第1回入札会
04 2001/06/27 静岡県第1回入札会
05 2001/06/29 和歌山県第1回入札会
06 2001/07/05 三重県第1回入札会
07 2001/07/10 愛媛県第1回入札会
08 2001/07/17 伊豆八木沢、小下田第1回入札会
09 2001/07/18 静岡県第2回入札会
10 2001/07/19 東京都第2回入札会(中止)
11 2001/07/30 和歌山県第回、三重県第2回入札会
12 2001/08/01 静岡県第3回入札会
13 2001/08/07 徳島県第2回入札会
14 2001/08/09 東京都第2回入札会
15 2001/08/28 高知県第1回入札会
16 2001/09/05 静岡県第4回、5回入札会
17 2001/09/20 東京都第3回入札会
18 2001/10/10 静岡県第7回入札会
19 2001/10/16 平成13年度 まとめ

00 2001/05/15 昨年度(H12)の報告

 全国のてんぐさ入札(生産)量

以下の表は、昨年までの年別てんぐさ入札(生産)量です。

産地\年 平成12年 平成11年 平成10年 平成9年
東京都 95 178 147 173
静岡県 159 169 138 155
三重県 51 38 32 29
和歌山県 48 36 47 57
徳島県 98 47 103 99
愛媛県 138 156 195 174
高知県 32 17 23 34
長崎県 21 32 36 27
上記産地計 642 673 721 748
全国生産量 789 821 938 988

(単位:トン)株式会社 森田商店 調べ 2001/5/15

 これ以外ではおもなところでは青森県、千葉県、富山県、兵庫県、愛知県、大分県などで水揚げされているがそれらを含めたのが全国てんぐさ生産量である。
 平成13年のてんぐさ採取は5月15日時点、各浜スタートし始めている。現在のところ東京都伊豆諸島は三宅島が昨年からの火山噴火の影響で採取不能になっている。
 また、低水温の影響で三重県志摩半島はやや不良、また5月25日に入札予定の徳島県はやや良となっている。
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01 2001/05/25 徳島県第1回入札会

 今年最初のてんぐさ入札会が徳島県漁連で行われた。この前には単協組合で九州地区で2箇所ほどひらかれているが県単位の大口はこれが最初となる。
 全国的には伊豆三宅島が昨年からの火山噴火で今年まったく収穫見込みがないところであるが、ここ徳島県地区では5月の20日ごろまで天候がよく、また作柄状況もよく集荷量は約85トンとなり、昨年の同時期5月30日の43トンを大幅に上回る量となった。
 出席応札商社は昨年とメンバーは一部入れ替わったものの同数の7社であった。昨年はその前年とほぼ同じ価格くらいでスタートしたものの中盤以降は落ち着いた相場展開になった。
 今回の入札は今年のてんぐさ相場の動向におおいに影響ありその結果が注目されたが、昨年の半ば以降の落ち着いた相場をひきずる形で終了した。
 写真は入札用紙でここへ希望の品の応札価格を記入する。
 今回は39口、85,618.3kgであり、各漁協の等級ごとに品物が区切ってある。大口は249本、7,407kgの牟岐町漁協天草Aがあり以下、6,000kgから5,000kgクラスが目白押しとなった。前日からの見付け業者もいて今年の品の糊の含み加減、乾燥状態、を丹念にみる。
 全量一括入札方式で午前11時30分に札締めがおこなわれ、即、目の前で開票、発表となり、価格と落札商社が確定する。代金決済は10日後の現金決済である。

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02 2001/06/17 今年のてんぐさ予想

 今年の天草の集荷状況、及び入札会の予定を報告する。
 昨年の今では6月15日に東京都伊豆諸島の分が20トンまた、21日に静岡県は伊豆半島産が29トン出品されていた。今年は先月25日に徳島があったもののその後はなく今後の予定として6月26日に東京都伊豆諸島がまた、27日に伊豆半島がそして、29日に和歌山県さらに7月にはいり4日が三重県、10日に愛媛県と今月終盤からようやく本格的になる。昨年に比較して1週間から2週間ほど遅れている模様である。
 なお、写真は愛知県知多半島、豊浜港内での天草を干しているところである。ここでも今現在、昨年に比較して9トンのところ約3トン弱で減産方向である。今後の動きが注目されるところである。

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03 2001/06/26 東京都第1回入札会

 遅れていた伊豆七島の東京都天草入札会がおこなわれた。
 承知のように三宅島は今もって全島避難状況であるため今回の出品はゼロである。伊豆大島が中心に式根島、八丈島の天草が集荷され約16トンであった。例年は今より2週間ほど早くて、25トンからの集荷量であるが、これもやむ得ないことである。
 写真のように三宅島の特産の黄晒品は皆目なく、大島の赤草が中心であった。本年最初の東京都入札のこととて伊豆大島の漁協組合から役員の人がきて成り行きを見守っているところである。広い漁連倉庫の中は閑散ととしている。
 入札の結果は、一部式根島と八丈島からの黄晒品の出品については昨年の高値の上をいくことになった。また、赤草については今後の量が期待できるところから落ちついた動きの値がついて終了した。ここの第2回は7月19日の予定である。

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04 2001/06/27 静岡県第1回入札会

 昨日に引き続き今日は静岡県は伊豆半島の入札会である。
 写真は天草の一番の代表産地である、伊豆は東伊豆町稲取漁協である。前日あげられた天草が干してある。ここ3〜4日は梅雨の晴れ間で暑い日続き、今日ももう真夏陽気である。この日も操業の船は沖へでているとのことであった。
 ただ、昨年から稲取漁協で天草にたずさわる船はなんと1杯になってしまっている。その船が稲取と北川漁港の区域を操業、あと1杯が大川にあって操業しているのみである。6月は天草のほかにその船はサザエを月に2日採っている。7月から9月まではそのサザエ漁がふえてくる。
 天草は採ってから乾しあげて改良を加えなければいかず、手間のかかる仕事である。およそ生草(採ったままの濡れた状態)から最終乾燥までいくと100kgが25Kgになる。その点サザエなどは採ったあとの手間がかからないので有利である。
 入札会は下田市でおこなわれ昨年29トンに対し今年は27トン。価格は東浜は昨年の値中心でやや高いものあり、やや安いものありといったところ。西海岸の仁科浜、田子漁協分はやや弱含みといったとこで終了した。

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05 2001/06/29 和歌山県第1回入札会

 今週最後に和歌山県の入札会が大阪市でおこなわれた。
 昨年のホームページで紹介したようにここは大阪のど真ん中、北区菅原町の大阪海苔問屋組合でおこなわれる。近くには夏祭りで有名な天神さん、天満宮がある。
 和歌山県はやや不作ぎみである。昨年30トンに対し、今年は12トンである。主力である潮岬中心の上野、太地、下田原の各組合分が少なく、数量からいくと加太漁協分が一番おおく出品された。特に和歌山では最上の上野漁協分は量が今日ではまとまらず次回見送りとなった。
 写真は全漁連との共販のため全漁連の担当のM氏が入札にかける品を点検しているところである。価格はほぼ横ばいで終了した。

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06 2001/07/05 三重県第1回入札会

 三重県の入札会が三重県松阪市でおこなわれた。ここには立派な漁連施設がある。
 写真のようにトラック寄せがあり、ここに志摩半島からの天草全部集荷されている。今年は昨年44トンに対し、今年は35トンと少ないものの、相場は前回の和歌山県の流れを受け、終始つよばることなく落ちついた状況で終了した。
 写真の下は入札会場である。まだ出席者が出ていないところである。ここの入札は品物1品ごとに競争入札していく方式である。値入は写真のように各商社ごとに端末が割り当てられそこから希望価格を入力していく。
 この会場にはこの端末が168台あるが今回天草入札会の応札商社数は7社であり、ガラガラ状態である。これが冬場の海苔の場合にはほぼ約100社以上の参加で端末も80%以上うまり、この部屋はほぼ満杯になると漁連の担当の話である。
 短い時間の間に次々と入札にかけられ、それを欲しいものかどうか、欲しければ価格はどの程度が一番適切な価格のか、瞬時に考え入力していくのである。高くすれば落札することはあたりまえであるが、それでは次に商うときに利益がでない。
 それよりもこの入札会の内で競りあがることになり、本当に欲しいものが予定価格からはずれて高いものを買う羽目になる。そのあたりの兼ねあいをみながらやっていくのである。
 入札中は緊張感に満ち溢れ、終わるとうまくいけば安堵感と充実感に浸ることができる。

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07 2001/07/10 愛媛県第1回入札会

 愛媛県の入札会が松山市でおこなわれた。
 今までの入札会の中では出品数量112トン、応札商社12社と一番大規模の入札会となった。当初、90トン予想が天気が続いたためと思われるが112トンと増加となった。
 写真は見本の天草を応札商社が品定め(見付け)をしている。また生産者側から各漁協組合員が相場の成り行きを見にきている。
 愛媛県は海岸線が長く、瀬戸内は松山市沖の中島から佐田岬半島をまわり宇和島沖の日振島まである。数量が多いのは日振島であり今回も約55トン出ている。相場は浜晒品で一部高いものがでたものの他は昨年とほぼ同じ程度で終わった。

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08 2001/07/17 伊豆八木沢、小下田第1回入札会

 静岡県は西海岸の土肥町の土肥漁協の入札会がおこなわれた。
 昨年は八木沢分で14トン、小下田分で8トン、計22トンの数量であったが、今年はそれぞれが7トン、と10トン計17トンであった。ここは浜での晒品が特徴で八木沢岡とら1等品として人気が高い。価格はほぼ昨年どおりであった。
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09 2001/07/18 静岡県第2回入札会

 静岡県の第2回入札会が伊豆半島、下田市でおこなわれた。
 昨年6トン、今年9トンとやや多めの出品量であった。価格は落ち着いたところで終了した。
 伊豆半島では代表産地としては前回紹介の稲取漁協のほか、各浜が昔からの天草産業にたずさわり、年月がすぎてきている。
 左の写真は下田市白浜漁協倉庫である。漁協の職員の人の話では大正時代の倉庫ということである。昭和44年の資料によれば白浜漁協組合の年間天草生産量は180トン(伊豆の天草漁業;成山堂書店、平成10年発行)と伊豆半島の中では最高であった。
 今では昨年、一年間の生産量が全県で159トンであり、往時のことからすると隔世の感がある。

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10 2001/07/19 東京都第2回入札会(中止)

 予定されていた第2回入札会は集荷量不足のため中止ときまった。三宅島が相変わらず、全島避難状況で集荷量はゼロである。伊豆大島、八丈島あたりの生産量を期待するところである。
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11 2001/07/30 和歌山県第回、三重県第2回入札会

 和歌山県と三重県の第2回入札回が大阪市北区のいつも海苔会館でおこなわれた。
 和歌山県は今回22トンで前回と合わせて計34トンになった。昨年は46トンであった。これは例年多く出品される加太漁協分の減が影響している。価格は予想範囲の落ち着いたなかで終了した。
 写真は入札に使用する入札用紙である。単価欄で100枚に付きとなっているので海苔入札用とわかる。
てんぐさの場合はここに10キロあたり価格を記入していく。これを10枚から20枚ていどすなわち10口から20口程度希望する品に単価記入して入札となる。

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12 2001/08/01 静岡県第3回入札会

 3回目の入札が下田市でおこなわれた。
 伊豆の代表産地の稲取、須崎、白浜など出品された。価格は前回を上回るものもでて、活況の内に終了した。
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13 2001/08/07 徳島県第2回入札会

 徳島は今年、豊作である。
 第2回目で59トンの出品、1回目が86トンであったのでこれで年間145トンとなった。昨年は年間で98トン、一昨年(平成11年)は47トン、平成10年は104トンと最近では最多量となった。豊作年は品質も良好である。
 当森田商店の買い付け量は徳島の1回目と2回目を合わせて出品総量の約70%強、100トン超になっている。
 倉庫内の写真ではひさしぶりの量のてんぐさが入っているのがわかる。

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14 2001/08/09 東京都第2回入札会

 延期されていた第2回の入札会がおこなわれた。
 倉庫内に久しぶりに晒草の黄晒品がならんだ。いつもなら三宅島産がここにあるのだが、昨年来の噴火で今年は皆無、1本も出品されていない。
 見えるのは八丈島の三根漁協、大賀郷漁協産それに式根島産である。三宅島については火山ガスの吐き出しが現状の状態であれば今後28年続くという漁連担当の人の話である。爆裂しても5年間ぐらい噴出する量のガスが地下に含有していてなかなか島の復帰はむづかしいようである。
 価格は晒品は品不足からの影響で高目で取引された。なお、今年は次の8月30日は中止で、あと1回9月20日の都合3回で東京都は終了となる。
 例年は5回から6回あるところであるが、三宅島分が採取されない分伊豆七島の減産は必至である。

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15 2001/08/28 高知県第1回入札会

 今年第1回目の高知県のてんぐさ入札会が高知市の水産会館でおこなわれた。
 高知県は東の室戸岬の東海岸から西の足摺岬までの長い海岸線がある。東の室戸岬から西の足摺岬まで246Kmあるが土佐湾内ではてんぐさの生産は少ない。
 もっぱら室戸岬の東側と足摺岬の西海岸、幡多郡が産地である。そのうちでも室戸岬の東海岸の高岡、三津、椎名は代表産地である。各産地からの見本として2〜3本ずつ入札会場へ持ち運ばれている。
 作柄は昨年30トン、今年27トンと似たりの状況であった。また価格も昨年と比較して赤草はやや安く、また高岡のさらし草はやや高くで終わった。

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16 2001/09/05 静岡県第4回、5回入札会

 延期されていた、第4回が5回の今日と同日におこなわれた。
 第4回の予定日にちょうど運悪く台風が接近して、新幹線、伊豆急線が運転中止となり、今日に延期されていた。ただ、5回目は集荷量が少なく、合併入札会でちょうどの数になった感はあった。
 数量は4回、5回合わせて約23トンで応札商社は7社、FAX入札社が3社であった。公開の元に札が明けられて逐次、読み上げられ黒板に書き上げられていく。当該の関係商社は「うまく落札できるか、2番札と離れてすぎてはいないか」緊張の瞬間である。
 2番草の品は安くなってきたが、前回どおりの品は欲しい商社がまだあり、競争状態で高くなって終わった。これで伊豆は最終回の10月10日で本年は終了予定である。他に伊豆七島の東京都が9月20日、最終回予定である。

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17 2001/09/20 東京都第3回入札会

 伊豆七島の東京都本年最後の入札会がおこなわれた。
 前回予定の8月30日を中止しての数量確保のつもりが意外に集まらず、約14トンほどであった。これで今年の東京都の総数量は60トン足らずで終わった。
 昨年は少ないとはいえ80トン弱であり、一昨年の157トンに比較してずいぶん少ない量である。三宅島産が今年は皆無であったのが影響した。
価格はあらめ黄晒品は特に高く式根島産のあらめ1等品は本年最高価格となった。
また、伊豆大島産の赤草も前回と同様価格はしっかりで終わった。
前日の19日に伊豆の土肥漁協、八木沢、小下田も終わったいる。
残るは伊豆半島、下田の最終回を残すだけとなった。

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18 2001/10/10 静岡県第7回入札会

 今年最後の入札会がおこなわれた。
 第6回は数量がすくなくて中止であり、今回7回目とはいうものの実質5回であった。今年の静岡県は入札出品数量は下田市での県漁連共販分に西伊豆土肥漁協分の合計で107トンであった。これは昨年の151トンに比べかなりの減産30%になる。
 ただ、今年の場合はまだ西伊豆の仁科漁協の集荷荷造り前の分があり、15トンほどは増える見込みである。が、それでも20%(昨年比)の減産になる。
 価格面では、減産にもかかわらず相対的に昨年並みもしくは一部安く推移し終わった。これは韓国、北朝鮮、中国、ヨーロッパ産のてんぐさが恒常的に入荷するようになり、寒天製造用に一部使用され始めていることに由来する。
 それが順次まわっててんぐさの産地として名高い伊豆産にも品物の過剰感となり、相場に影響してきたものと考えられる。
 寒天やところてんの製造業者にとってはコスト面でのメリットはあるが、長期的には浜での生産意欲の減退を招き、てんぐさの再生産に悪影響をおよぼしかねない。
 国内てんぐさの良い面を打ち出し、もって海外産との調和を考えてんぐさ、寒天、ところてんに携わる事業者が協力、継続していくことが重要と考えられる。
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19 2001/10/16 平成13年度 まとめ

 全国のてんぐさ入札(生産)量

以下の表は、昨年までの年別てんぐさ入札(生産)量です。

産地\年 平成13年 平成12年 平成11年 平成10年 平成9年
東京都 66 95 178 147 173
静岡県 107 159 169 138 155
三重県 43 51 38 32 29
和歌山県 34 48 36 47 57
徳島県 146 98 47 103 99
愛媛県 125 138 156 195 174
高知県 27 32 17 23 34
長崎県 12 21 32 36 27
上記産地計 560 642 673 721 748
全国生産量 集計中 789 821 938 988

(単位:トン)株式会社 森田商店 調べ 2001/10/16

 平成13年のてんぐさ入札会も県単位では10月10日の静岡県の入札会で終了した。
 結局、三宅島は今年は生産量は0で終了、東京都の数量が2〜3年前平成11年、10年と比較して極端に減少している。
 静岡県伊豆半島産については仁科漁協が今後, 集荷が予定されていて10トン程度増える見込みであるが、それでも東浜の減産が影響している。
 一方、徳島県は昨年に比較して増産になった。総計では昨年より10%強、減産になったと思われる。
 入札以外の分も含んだ最終集計は来春、報告できる予定である。
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